長谷川唯も熊谷紗希も輝かない4-3-3システムは最善策ではない。ただ、手の内を明かさなかったと考えれば…【なでしこジャパン】

2023年11月02日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

ベトナム戦もモヤモヤした展開に

長谷川には低い位置でゲームメイクを任せるべきか。写真:梅月智史(サッカーダイジェスト写真部)

 2023年11月1日(現地時間)、なでしこジャパンがパリ五輪アジア2次予選でベトナム女子代表に苦しみながらも2-0と完封勝利。3戦全勝で、来年2月に開催される最終予選に駒を進めた。

 何より重要なのは結果で、その点でなでしこジャパンはよくやった。3試合で総得点11、失点0なのだから、「立派」と評価すべきだろう。

 ただ一方で、スッキリしない部分もある。女子ワールドカップでのスペイン戦のような痛快な試合はひとつもなく、インドとの初戦も含め今予選のなでしこジャパンはどこかモヤモヤしていた。

 確かにインド戦で複数得点に絡んだ中嶋淑乃の活躍は目を引いたかもしれない。それでもチームとしての連動性はいまひとつで、攻撃は迫力に欠けた。ベトナム戦に限れば枠外シュートが多すぎる印象だった。ピッチコンディションが悪い影響もあっただろうが、それにしても…。外しすぎである。
 
 内容的に今予選で気になったのは、インサイドハーフの長谷川唯がそこまで輝かなかったのと、アンカーの熊谷が攻撃の局面で機能していない点だ。2人のパフォーマンス云々よりも、そもそも4-3-3システムは今のなでしこジャパンに合っているのか、そこに焦点を当てるべきなのかもしれない。  

 結論から言えば、4-3-3システムは最善策ではない。ベトナム戦では宮澤ひなたと遠藤純の左サイドコンビがあまり機能せず、右サイドからの崩しもいまひとつだった。ポケット(ニアゾーン)に侵入しての崩しはほとんどなく、流れるような攻撃は少なかった。これが、モヤモヤした展開になった一因なのは間違いない。

 長谷川には低い位置からのゲームメイクを任せたほうがチーム全体に躍動感が出そうで、熊谷はチームが押し込む展開ならCBのほうが活きる。今予選の3試合を経て、オフェンシブに行くならアンカーは長野風花のほうがいいと感じたファン・サポーターはそれなりにいたはずだ。

 もっとも、なでしこジャパンには3-4-2-1システムという手札もある。2次予選はあえて不慣れな4-3-3で戦って、北朝鮮と戦う最終予選では先の女子ワールドカップで機能した3-4-2-1を使う。そういう戦略を、池田太監督は持っているかもしれない。

 仮にそうなら、手の内を明かさなかったという点で4-3-3システムの採用はポジティブに映るが、果たして…。

文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)

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