【J1】開幕直前チェック 鹿島編|「義務」であるリーグタイトル奪還に向け、ふたつの“いつ”をどれだけ早く解決できるか

2016年02月26日 内田知宏

エース候補のジネイが好パフォーマンスを披露。

鹿島の2016年シーズン基本布陣。伝統の4-4-2は今季も健在だ。

【プレシーズンを通じての収穫と課題は?】

 昨年6月、右膝前十字靱帯を損傷し、約8か月間、実戦から遠ざかっていたジネイがプレシーズンマッチ全5試合に出場。怪我の影響を感じさせないプレーを見せた。開幕前最後の実戦となった水戸戦でゴールを決めるなど、試合勘、コンディションを取り戻しつつあることを自ら証明した。このブラジル人FWは、本人も「周りから怪我のことを言われるけど、僕はまったく気にしていないよ」と笑い飛ばすほどに順調だ。
 
 また、東京Vから新加入の三竿は、激戦区のボランチにおいて、開幕スタメン候補に浮上してきた。柴崎が急性虫垂炎、永木が肉離れで出遅れている背景があるにせよ、他選手より一歩踏み込める激しい守備など、持っている能力と将来性を十分に示している。

 チームとしては、プレシーズンマッチを通じて、手応えの得られる試合内容は決して多くなかった。それは、移籍組、昇格組を含め、新加入選手が8人入ったことや、宮崎キャンプが例年より1週間長く、蓄積した疲労が影響したと考えるべきだろう。

 チームの共通理解を深め、お互いの特徴を把握する時間が今後増えていけば、必然と状態は良くなっていくはずだ。

次ページ柴崎が“10番”の仕事を遂行できた時、チームもより高みに近づける。

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事