スタジアム周辺ではファンからブーイングも…不振が続くチェルシーの現状に英国人記者が苦言「チームではなく、個人の集まりのようだ」【現地発】

2023年10月29日 スティーブ・マッケンジー

ブレントフォードに0-2で敗戦

不調から抜け出せないチェルシー。(C)Getty Images

 10月28日、ロンドンのスタンフォード・ブリッジで行なわれたプレミアリーグ第10節のチェルシー対ブレントフォードを取材した。

 チェルシーは格下であるブレントフォード相手に直近の3試合で勝ちがない。これはここ数年、このチ―ムがいかに厳しい状況に置かれているかを物語っている。

 今季も、ここまで10位と低迷。ただ、公式戦ここ4試合負けなしと調子は上向きで、難しい状況からどう変わったのか見るのは興味深い。

 ブレントフォード戦の前日会見で、今季からチェルシーを率いるマウリシオ・ポチェティーノ監督の話を聞いていると、かなりリラックスしている様子でチームの好調さが見て取れた。
【動画】チェルシー対ブレントフォードのハイライト
 しかし残念ながら、これまでとあまり変わっていないようだった。再三のチャンスを決め切れずにいると、58分にイーサン・ピノックに先制点を許す。さらに後半アディショナルタイムにも、カウンターからブライアン・ムベウモにネットを揺らされて0-2で敗れた。

 ブレントフォードが勝って当然の内容で、どちらのチームが巨額の投資を受けたのか認識するのは難しかった。私には、チェルシーはまだチームではなく、個人の集まりのように見える。新加入選手が多いので、チーム作りには時間がかかるだろう。

 これまで数多くのクラブで好成績を残してきたポチェティーノ監督であれば、成功するチームに仕立て上げるのは可能だと思うが、それがいつになるかはまったくわからない。前節のアーセナル戦(2-2)の引き分けは正しい方向への一歩だったが、今回のブレントフォード戦の敗北で、またしても後退してしまった。

 試合終了時、スタンフォード・ブリッジ周辺ではファンからブーイングが起こっていた。チェルシーがヨーロッパのコンペティションに戻るのはまだ先になりそうだ。

文●スティーブ・マッケンジー(サッカーダイジェスト・ヨーロッパ)

著者プロフィール
スティーブ・マッケンジー/1968年6月7日、ロンドン生まれ。ウェストハムとサウサンプトンのユースでプレー経験がある。とりわけウェストハムへの思い入れが強く、ユース時代からのサポーター。スコットランド代表のファンでもある。大学時代はサッカーの奨学生として米国で学び、1989年のNCAA(全米大学体育協会)主催の大会で優勝した。現在はエディターとして幅広く活動。05年には『サッカーダイジェスト』の英語版を英国で出版した。

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