【湘南】神戸戦でPK献上の問題点はチームにあり。岡本拓也はハンドを悔やみつつ課題に言及「もっとエネルギーを持って入れれば...」

2023年10月29日 岩澤凪冴(サッカーダイジェスト編集部)

「後半立ち上がりの対応は良くなかった」

右ウイングバックで先発した岡本。無念のPK献上も、攻守で存在感を示した。写真:滝川敏之

 湘南ベルマーレは10月28日、J1第31節でヴィッセル神戸と対戦。1-1の引き分けに終わった。

 立ち上がりから試合を優位に進めたのは湘南。積極的にハイプレスをかけるのではなく、ミドルゾーンに引き込んでから人に強く行く守備でボールを奪い、カウンターで相手ゴールを脅かすと、11分に阿部浩之のクロスから大橋祐紀が決め、先制に成功した。

 1-0で試合を折り返すと、後半はアウェーチームが出力を上げ、湘南は自陣に押し込まれてしまう。サイドからのクロスで何度かピンチを招き、52分に岡本拓也のハンドでPKを献上。これを神戸のエース、大迫勇也に決められて同点となり、勝点1を分け合う形となった。

 湘南にとってPKを与えたシーンは、勝点3を得るか、1に甘んじるかの分け目のひとつだったと言えるだろう。

 試合後、岡本はPK献上の場面をこう振り返った。

「相手のクロスがワンバウンドした時に、思った以上にボールが止まって、マークの佐々木(大樹)選手が見えて焦ってしまいました」
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 自身のプレーを悔やんだが、本質的な問題は岡本にはないように感じる。後半の立ち上がりからクロスを上げられ続けていたため、たとえPK献上がなくとも、失点につながってしまうようなピンチを招いていたのではないか。

 1点ビハインドで勢いを持って戦ってくる相手を、どういなしていくのか。また、クロスを上げさせないためにサイドの選手がどう振る舞うべきなのか。シーズン当初や中盤戦に比べれば守備面が改善してきたとはいえ、課題はまだあるように見える。

 岡本も、神戸戦でチームの課題を感じたようだった。

「後半、立ち上がりの対応は良くなかったですね。サイドの深い位置で起点を作られて、少し戻してからクロスを上げられる、という回数が多かった。まずは起点を作らせないこと。そして、後半開始直後からもっとエネルギーを持って入れれば良かったかなと」

 後半の立ち上がりからPK献上までを課題だと感じた一方で、それ以外の時間帯で良い出来を見せたのも事実だ。岡本も「僕たちの良さが出せたと思いますし、前半から良い流れでした。相手の攻撃陣に良い選手が多かったですが、そこへの対応もおおむね良かったのではないかな」と回想する。

 神戸戦で得た課題と手応え、そして勝点1をJ1残留の原動力にできるか。湘南は次節、11月11日にホームで名古屋グランパスと対戦する。

取材・文●岩澤凪冴(サッカーダイジェスト編集部)

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