67分に出場→後半アディショナルタイムに交代も。東京V・長谷川竜也が大逆転劇の千葉戦で圧巻の1ゴール・1アシスト!!

2023年10月22日 本田健介(サッカーダイジェスト)

千葉との大一番で輝く

PKストップを見せたマテウス(写真左)と喜ぶ長谷川。チームを勝利に導いた。写真:福冨倖希

[J2第39節]東京V3-2千葉/10月22日/味の素スタジアム

 東京Vにとって悲願のJ1復帰へ強い後押しになる大逆転勝利だ。

 ホームの味スタに昇格争いのライバル・千葉を迎えた重要な一戦は、序盤からボールをつないでチャンスを作るも、ドゥドゥに強烈な2発を決められ、前半を0-2で折り返す苦しい展開を強いられた。

 後半も攻め続けたが、肝心のゴールが奪えない。

 そんなチームを決勝弾を含む全3ゴールに絡んだ中原輝とともに救ったのが、67分に出場して1得点・1アシストをマークした長谷川竜也である。

「スタメンで出るよりも、シンプルにサイドに張って、仕掛けて」と振り返った長谷川は、左サイドから果敢に突破を狙い、攻撃を加速させると、「ヒカル(中原輝)とは話していましたし、ヒカルは顔が上がる選手なので」と右サイドで中原がボールを持った瞬間に、左から相手のペナルティエリアへ走り込んでクロスにヘッドで合わせてネットを揺らしてみせたのだ。

 今夏にJ1の横浜FCからレンタル加入した長谷川にとっては、東京Vでの嬉しい初得点。これで勢いに乗ったアタッカーは、90分には再び右からの中原のクロスを、今度はペナルティエリア左で足で折り返し、染野唯月の同点弾をアシスト。

 チームは90+2分の中原のゴールで大逆転勝利を挙げてみせた。

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 身体の状態や、チームの逃げ切り策の影響もあったのか、長谷川は交代出場選手ながら、90+5分にDF山越康平と代わってベンチに下がった。

 試合後には複雑な表情を浮かべていたが、サポーターの前で移籍後初ゴールを喜び、ミックスゾーンでは、彼らしい前向きな言葉を残してくれた。

「(移籍後に)もっと早く点を取りたかったですが、劇的な、今シーズンのなかでサポーターの方の記憶に残る試合だったと思うので、すごく喜んでいる姿を見て感慨深い気持ちになりました。

 個人としてはこのチームの昇格が一番の目標。僕自身が活躍することもそうですが、自分が出ていても出ていなくても、チームのために何ができるのかをまず一番に考えて移籍をしてきているので、チームの結果が今の自分にとってはポジティブなことです。

 そこにプレー時間が伴ってくれば、それ以上幸せなことはないですが、そこは難しいところもあるのですが...、優先事項を間違えないように。自分の利益に惑わされないように、本質的にはチームがJ1に昇格することが何より大事なので、それだけは忘れずにやっていきたいです」

 長谷川は昨季、横浜FCでJ1昇格の原動力にもなった。その経験から、シーズン佳境で最も大事なことも説明してくれた。

「今日みたいに諦めないこと。内容云々よりも勝ち切ること。そこに内容が伴ってくればベストですが、今日みたいに相手のペースが続いたり、相手に苦しめられても、一人ひとりが諦めないことが大事。0-2になってもやれるんだと、信じる気持ち、弱気にならずにどれだけやれるか。

 精神論だけではないですが、ここからは精神的なタフさ、強さが求められるので、プレッシャーがかかるなかで一人ひとり何ができるかを研ぎ澄ませていかなくてはいけません」

 熱い想いを口にした長谷川の目標が叶う日を楽しみにしたい。

取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)


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