【鹿島】エース金崎に「ゴール」という挑戦状を叩きつけた19歳。2年目の鈴木優磨は開幕スタメンを勝ち取れるか

2016年02月22日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

「この時期に点が取れたのはアピールになったはず」

ジュニアユースから鹿島一筋。クラブが大きな期待を寄せるストライカーは、「このチームで今年、絶対に3冠を獲りたい気持ちがすごく強い」と並々ならぬ決意を胸に、プロ2年目のシーズンに臨む。写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)

 87分、小笠原満男のCKは一度は撥ね返されたが、こぼれ球に素早く大橋尚志が反応し、再び、小笠原に預ける。
 
 パスを受けた小笠原が鋭いクロスを供給すると、エリア内でスタンバイしていた背番号34は巧みにヘッドで合わせて、ゴールネットを揺らしてみせた。

【PHOTOギャラリー|鹿島2-1水戸】
 
「相手の前に入っていくのが、一番(DFが)嫌がる。それをやろうと思っていたら、良いボールが来たので良かったです」
 
 勝利の立役者が自らのゴールシーンを振り返る。1-1で迎えた終了間際のビッグチャンスを確実に仕留めた鈴木優磨のこのゴールによって、鹿島は水戸とのプレシーズンマッチで勝利を収めた。
 
 鹿島ユースから昇格した2年目の俊英FWは、この日は途中出場からピッチに立ち、大仕事をやってのけた。「途中出場で満足している選手はいないと思うし、スタメンで出たい」と意気込む鈴木には、期するものがあった。
 
「自分にとっても、前線の選手にとっても、みんな危機感を持ってやっている」
 
 その背景には、今オフに一度はレンタル元のクラブに戻ったが、紆余曲折を経て、完全移籍での獲得が決まった金崎夢生の"電撃復帰"があった。
 
 日本代表に名を連ね、昨季のナビスコカップ制覇の原動力にもなったエースの帰還に、鈴木はライバル心を激しく燃やしている。
 
「正直、あの人が帰ってきて、(スタメンで)出るみたいな雰囲気になっていますけど、俺はそれに納得がいっていない」
 
 このモヤモヤとした気持ちはどうすればいいのか――。鈴木の中で答えはひとつしかなかった。「結果を残すしかない」。そして、水戸戦で欲しかったゴールを奪ってみせた。
 
「今日、結果を残せたのは、自分にとってデカいし、この時期に点が取れたのはアピールになったはず」
 

次ページ基本技術やペース配分でスタメン組との差を痛感。

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