J1初制覇へのビクトリーロード、神戸の残り5戦を展望!現時点で優勝の可能性は50%。勝点差を考えればもっと高いかもしれないが...

2023年10月21日 白井邦彦

鹿島→湘南→浦和→名古屋→G大阪

悲願の初制覇へ邁進する神戸。この勢いをシーズン最後まで持続できるか。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 横浜F・マリノスとの首位攻防戦(J1・29節)に勝利したヴィッセル神戸は、勝点差を4に広げて首位をキープ。他チームの戦績などの条件が揃えば、悲願のJ1初制覇は最短で次々節の湘南戦(10月28日)となる。

 優勝争いを演じている横浜と浦和レッズがACLとの過密日程を余儀なくされるなか、リーグ戦に集中できる神戸には時間的なアドバンテージがある。それを活かして一気に頂点へと駆け上がりたいところだ。
 
 だが、残り5試合はどれも難しい戦いになりそうな気配がある。吉田孝行監督が「簡単に勝てる試合は1つもない。目の前の1試合を100%で戦い、勝ちに行くだけです」と話すように、優勝への近道はない。今まで通り「一戦必勝」の構えを崩さないことが一つのテーマになりそうだ。

 神戸の残り5試合は鹿島アントラーズ、湘南ベルマーレ、浦和、名古屋グランパス、ガンバ大阪との対戦となる。ビクトリーロードの第一関門である鹿島戦に、勝つか負けるかで大きく戦況が変わる可能性がある。この試合で何かが決まるわけではないが、代表ウィーク明けの国立決戦は大きな山場だ。
 
 4位の鹿島は首位の神戸と勝点差「11」。優勝戦線からは少し後退している印象だが、まだ逆転優勝への望みは残っている。来季のACL出場権獲得(2位以内)も視野に入れると、鹿島にとっても今回の国立決戦が分岐点になりそうだ。

 それでなくても鹿島には負けられない理由がある。4月の前回対戦(8節)ではホームで1-5の大敗を喫しているからだ。さらに2020年の元日にまで遡れば、国立での天皇杯決勝で敗れてタイトルを逃している。今回の神戸戦はリベンジマッチの色合いが濃く、相当なエナジーを持って国立に乗り込んで来ると思われる。

 神戸は守護神・前川黛也が代表活動で負傷し、左SB初瀬亮が警告累積で出場停止というなかで国立決戦を迎える。残り5試合の中で最難関は今回の鹿島戦と言えそうだ。

「間違いなく、今の神戸は強い」と断言できる。イニエスタとの訣別、齊藤未月の離脱、強度が緩んだ厳しい残暑を乗り越え――

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