【Jリーグ2月開幕の是非は?①】いびつな日程で生まれる「空白の期間」が、選手を飼い殺しにしかねない

2016年02月19日 木崎伸也

J1は10月1日の14節から、22日の15節まで、3週間も試合が行なわれない。

ナビスコカップ決勝はスポンサー側に気を遣いすぎた日程だ。そのために他チームにしわ寄せが来ている(写真は2015年ナビスコカップ優勝の鹿島)。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

 与えられた条件を考えれば、悪くない日程だと思う。

 ゴールデンウィークやACL出場チームの特別日程を除けばミッドウィーク(火~木曜)開催はほぼなく、来場者数の増加が期待できる。すでに従来のベストメンバー規定はなくなっており、ナビスコカップで上手くローテーションをすれば選手の疲労度も抑えられる。日程を組む担当者は、十分に仕事をまっとうしたと言えるのではないだろうか。

 ただし、そういう評価はあくまで「与えられた条件」を受け入れたうえでの話だ。現在のJリーグはそもそもの条件がいびつなために、どうしても日程に致命的な「空白」が生まれてしまっている。

 まずひとつ目は10月中旬の空白だ。10月6日、10月11日にワールドカップアジア最終予選があり、10月15日にナビスコカップの決勝があるため、J1は10月1日開催の14節から、10月22日開催の15節まで、3週間も試合が行なわれない。

 ナビスコカップの準決勝が10月5日、9日に組まれているが、それに当該するのは4チームのみだ。他の14チームは3週間も実戦かられることになる。"秋のブレイク"と名付けても良いくらいの休みである。

 この空白は今年に始まったことではない。ナビスコカップ決勝を尊重して、その前後に試合を組んでいないからだ。決勝が大事だとしても、そのためにJリーグを3週間も行なわないのはあまりにも冠スポンサーに気を遣いすぎではないだろうか。

 視聴率も4パーセント前後で伸び悩んでおり、特別な日程を用意している効果も薄れている。空白をなくすために、Jリーグの試合に挟まれたミッドウィークに行なうべきではないだろうか(中継局がゴールデンタイムに放送することに同意してくれるかは分からないという問題はあるが)。

次ページチャンピオンシップや天皇杯に参加できないクラブは、約4か月に渡って公式戦が経験できなくなる。

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