“序列の概念”はもはや重要ではない。右ウイングの一番手は誰かではなく、久保建英も伊東純也もいる事実を喜ぶべきだ【日本代表】

2023年10月16日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

スタメンの大幅変更は今やスタンダード

久保はチュニジア戦で右ウイングを任されるか。写真:梅月智史(サッカーダイジェスト写真部)

 2023年6月のエルサルバドル戦から5連勝。スタメンを固定せず、いずれも4ゴール以上決めている日本代表の戦いぶりから判断すると、もはやチーム内に序列の概念はほとんどないように感じる。

 10月13日のカナダ戦は三笘、鎌田、堂安などが不在で、久保や守田らをベンチに置いたまま4-1と快勝。これまで主力中の主力とは言い難かった浅野、田中、中村あたりが活躍した姿を見ると、選手層が厚くなってきた印象もある。

 もちろんCFに確固たる柱が見当たらないのは不安材料だが、人材難なわけではない。上田、古橋も現代表に徐々にフィットしている感もあり、現時点で悲観的になる必要はないだろう。

 「手薄」との声もある左サイドバックも、10月シリーズで中山が復帰し、冨安も町田もこなせることを考えれば、タレントはまずまずいる。

 9月のドイツ戦からトルコ戦でスタメン10人を変更したのと同じように、チュニジア戦でも大きなメンバーチェンジがあるはずだ。実際、森保監督は16日の会見で「総替えとはいかないが、選手を入れ替えて戦いたい」と明言している。

 今となっては「スタメンの大幅変更」に驚きはない。どちらかと言えば、今回もやるだろうというか、スタンダードになってきた。

 序列の概念を感じなくなってきたと言っても、キャプテンの遠藤、CBの冨安といったあたりは代役不在だろう。ただ、例えば右ウイングの一番手は伊東か久保かとの議論は個人的に無意味だと考えている。選手のコンディションや対戦相手の戦い方などで使い分ければいいだけで、むしろ右サイドにこのふたりがいる事実を喜ぶべきだ。
 
 6月の代表活動で、森保監督は次のようなコメントをしていた。

「システムも人の組み合わせも、多くの選択肢を持てるようにしていくための試合にできれば。選手層も1チームだけでなく2チーム、3チーム分というように、よりレベルの高い層からその都度の活動や大会にベストな選択をしていけるようにしたい。今のメンバーを見ても力のある選手は多い。各ポジションに同等の力を持つ選手たちを少しでも多く、何があっても準備できるようなチーム作りをしたい」

 その方針を踏まえれば、やはり序列の概念はそこまで重要ではない。

文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)


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