「ウルっときましたね」浦和DF荻原拓也が流した涙の理由。気持ちをプレーに乗せて、手繰り寄せたルヴァン杯決勝

2023年10月16日 藤井圭(サッカーダイジェストWeb編集部)

「攻撃の起点になれたという手応えがあった」

2つのPK奪取に絡み、ヒーローインタビューにも選ばれた荻原。(C)SOCCER DIGEST

 浦和レッズは10月15日、ルヴァンカップ準決勝の第2戦で、横浜F・マリノスとホームで対戦。アレクサンダー・ショルツが2本のPKを決めて2-0で勝利し、2戦合計2-1で浦和が決勝へ進出した。

 試合後のヒーローインタビューでは、2つのPK獲得に絡んだ荻原拓也が選ばれた。マイクの前で23歳DFは思わず涙を流し、言葉を紡ぎ出すことに精一杯だった。

 11日の第1戦では、横浜にほとんどチャンスを作らせなかったが、自身のハンドでPKを献上。これをアンデルソン・ロペスに決められ、0-1で敗れた。

 だからこそ、第1戦を終えたあとに「次は主役になる」と、4日後の決戦に向けて強く意気込んだ。迎えた本拠地での第2戦、勝ち上がりには少なくとも2ゴールが必要な状況で、荻原はアグレッシブにプレーした。
【動画】浦和が横浜を2-0で下し、第1戦から逆転でルヴァンカップ決勝進出!
 すると69分、荻原が左サイドで小泉佳穂のパスに抜け出してクロスを供給。GKの弾いたボールを拾った早川隼平が、ペナルティエリア内で倒されてPKの判定に。主審の笛が鳴ると、荻原は倒れ込みながら大きく手を広げて、喜びを表現した。

 81分には自身のクロスからホセ・カンテがヘディングで合わせるも、これはバーに直撃。それでも後半アディショナルタイム、髙橋利樹からパスを受けた荻原が折り返すと、対応した實藤友紀のハンドを誘って再びPKを得る。

「ああいうシーンを数多く作り出したことが結果につながったと思いますし、攻撃の起点になれたという手応えがありました。この準決勝を乗り越えたことは、チームとして大きいです」

 2-0で横浜を下し、逆転で決勝に進出。ヒーローインタビューでは、込み上げてきた思いをこらえきれなかったが、取材時には落ち着いた表情で「涙がちょちょ切れましたね」と記者たちを笑わせ、涙の理由を明かした。

「あと1つ勝たないと何も意味がないんですけど、この試合はいつも以上にというか、自分のなかで強い思いを持って挑みました。

 プレーしながらも空気感を感じる余裕があったし、1点目が入った時の景色もしっかり見えていました。スタジアム全体が作り出す雰囲気にウルっときましたね」

 サポーターが力強く背中を押してくれた。第1戦の悔しい思いをプレーに乗せて――荻原は檀上で感極まった。

取材・文●藤井圭(サッカーダイジェストWeb編集部)

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