【EL現地レポート】香川がゴールに絡む2つのプレーで自信を取り戻す「気分的にちょっと楽になった」

2016年02月19日 山口裕平

1点目は機転の利いた動き、2点目は的確なパスで得点に関与。

ゴールに結びつくプレーを2度も見せられたことで、ここまで苦しんでいた香川自身も肩の荷が下りたようだ。 (C) Getty Images

 2月18日(現地時間)に行なわれたヨーロッパリーグ(EL)の決勝トーナメント1回戦、ポルトとの第1戦(2-0で勝利)は香川にとって、自信を取り戻す試合になった。
 
 この試合で先発出場し、87分までプレーした彼は、2つのゴールの起点となってチームの勝利に貢献。今年に入り、なかなか得点に絡むことができないばかりか、ヘルタ・ベルリン戦ではメンバー外になるなど、苦しい状況が続いていた香川にとって、自信を取り戻す上での大きなプレーになったはずだ。
 
 キックオフの笛が鳴った時には4-2-3-1のフォーメーションを採っていたドルトムントだが、攻撃時には左SBのシュメルツァーがウイングのような高いポジションまで上がり、3-2-4-1のような変則的なかたちでポルト守備陣の攻略を図った。
 
 2シャドーの一角に入った香川の役割は、相手の中盤とDFラインの間でボールを引き出すこと。しかし、前半は相手のプレスが厳しかったこともあり、ボールに触る機会はあれど、なかなかチャンスを作り出すには至らなかった。
 
 ただ、試合を通して絶えず繰り返した彼のボールを引き出す動きが、思わぬかたちで先制点をもたらした。
 
 6分、ドルトムントが左サイドでCKを獲得すると、キッカーのムヒタリアンの元へ駆け寄った香川がボールを受けてショートコーナーを仕掛ける。虚を突かれたポルトの守備陣は、香川からリターンを受けたムヒタリアンのクロスに対応できず、ニアサイドに走り込んだピシュチェクをフリーにしてしまう。
 
 このポーランド人SBが右足で流したシュートは、一度はGKカシージャスにセーブされるも、こぼれ球を再びピシュチェクが頭で押し込み、早い時間帯でドルトムントは先制に成功した。
 
 後半に入るとポルトのプレスが緩くなり、徐々に香川が相手のブロック内でボールを受けるシーンも増えていく。
 
 そして71分、左サイドに送られた浮き球にピシュチェクが競り勝つと、ボールは高くバウンドしながらエリア手前に待っていた香川の元へ。相手に身体を寄せられながらもボールをコントロールした香川は、ペナルティエリア内でフリーのムヒタリアンを見つける。
 
 香川からのパスを受けたムヒタリアンがロイスに落とすと、最後はシュートが相手DFに当たってゴールに吸い込まれた。

次ページこの試合で力みは和らぎ、今後はプレーも軽やかになるだろう。

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