【移籍専門記者】バルサがミランの超逸材ドンナルンマに興味。代理人ライオラは「値段? 名画の1枚分は下らない」と嘯く

2016年02月17日 ジャンルカ・ディ・マルツィオ

すでにバルサのスカウトがサン・シーロでドンナルンマを視察した。

今シーズンがトップチーム1年目ながら、D・ロペスの不振を受けて昨年10月下旬にチャンスを掴み、16歳ながらそのままミランの正GKに定着。ドンナルンマはセーブ能力、足技、そしてパーソナリティーと三拍子が揃った超逸材だ。写真:Alberto LINGRIA

 バルセロナートリノーミラノ。
 
 この線上でメルカートをめぐる動きが活発化している。バルセロナがユベントスのポール・ポグバに興味を持っているという話に、目新しさはまったくない。しかし、ミランのジャンルイジ・ドンナルンマにも、となると話は別だ。
 
 2月25日にようやく17歳を迎えるこの超逸材GKの代理人は、ポグバと同じミーノ・ライオラ。このエージェントの大物選手を動かす手腕に関しては、ズラタン・イブラヒモビッチのキャリアを振り返るだけで十分だろう。スウェーデンの鬼才をアヤックスからユベントス、インテル、バルセロナ、ミラン、そしてパリ・サンジェルマンとメガクラブを渡り歩かせ、しかもその度に年俸アップを勝ち取ってきた。
 
 ライオラとバルサのポグバに関するやり取りは、もう1年近く続いている。今夏には本格的な移籍話が浮上する可能性は小さくない。そこにもう1人、ドンナルンマも絡んでくるかもしれない。2月14日にサン・シーロで開催されたミラン対ジェノア戦には、観客席にバルサのスカウトが複数姿を見せていた。ドンナルンマのパフォーマンスを視察するためだ。
 
 昨夏、「ポグバの値段? モナリザ並みだね」と嘯いたライオラは最近、ドンナルンマについても「モディリアーニ(20世紀前半のエコール・ド・パリを代表するイタリア人画家)の名画1枚分は下らない」とコメントしている。
 
 プロ1年目の弱冠16歳にしてすでに500万ユーロ(約7億円)の市場価格が付いているドンナルンマに、ライオラはどんな値札をつけて売ろうとするのか。そして、バルサはこの先どんな動きを見せるのか――。興味は尽きない。
 
文:ジャンルカ・ディ・マルツィオ
翻訳:片野道郎
 
※当コラムではディ・マルツィオ氏のオフィシャルサイトにも掲載されていない『サッカーダイジェストWEB』だけの独占記事をお届けします。
 
【著者プロフィール】
Gianluca DI MARZIO(ジャンルカ・ディ・マルツィオ)/1974年3月28日、ナポリ近郊の町に生まれる。パドバ大学在学中の94年に地元のTV局でキャリアをスタートし、2004年から『スカイ・イタリア』に所属する。元プロ監督で現コメンテーターの父ジャンニを通して得た人脈を活かして幅広いネットワークを築き、移籍マーケットの専門記者という独自のフィールドを開拓。この分野ではイタリアの第一人者で、2013年1月にグアルディオラのバイエルン入りをスクープしてからは、他の欧州諸国でも注目を集めている。膨大な関係者と緊密なネットワークを持ち、しかもしっかり裏が取れるまでは決して情報を出さない。発信するニュースはすべてガチネタであり、ハズレはほぼ皆無と言っても過言ではない。
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