焦点の右サイド、現状で伊東純也は外せないが...久保建英が「控え」はもったいない。異彩放つ両アタッカーの効果的な起用法を探る

2023年10月09日 元川悦子

目下のファーストチョイスは「イナズマ純也」

伊東(左)と久保(右)。両者の起用法に注目が集まる。(C)SOCCER DIGEST

 2026年の北中米ワールドカップ・アジア2次予選が11月にスタートする日本代表。来年1~2月にはアジアカップも控えている。

 アジア杯は2019年大会で惜しくも準優勝に甘んじた森保一監督にとって、アジア制覇は必須テーマ。10月のカナダ&チュニジアとの2連戦で陣容を大きく変えずに、チーム成熟度の向上を目ざしたのも、そういった思惑ゆえだろう。

 そこで考えるべきテーマの1つが、伊東純也(スタッド・ドゥ・ランス)と久保建英(レアル・ソシエダ)という2人の右サイドアタッカーの有効活用だ。

 欧州で異彩を放つ2人を上手く使い分けていくことは、今後の日本代表にとって重要な課題。指揮官もこの点は強く意識しているのではないか。

 ご存じの通り、目下のファーストチョイスは「イナズマ純也」の異名を取る伊東。9月シリーズでも、ドイツ戦(4-1)での1ゴール・1アシストに加え、トルコ戦(4-2)では勝利を決定づけるPK奪取、4点目獲得という目覚ましい働きを披露している。「彼は絶対に外せない」と考えるのは、森保監督だけではないはずだ。

 一方の久保も、今季スペイン1部で8試合・5ゴールと大ブレイク中。9月の月間MVPにも選出されており、彼を「伊東の控え」という状態のまま置いておくのはもったいない。
 
 1つの解決策として、森保監督はこれまで久保のトップ下、あるいは左サイドでの起用を模索してきた。トルコ戦を見ても分かる通り、久保は中央でプレーしても効果的な仕事をしていたし、中村敬斗(スタッド・ドゥ・ランス)のゴールをアシストするなど、得点に直結するプレーも見せていた。

 しかしながら、本人は「今はチームでも右のウイングで出ているので、僕のファーストチョイスというか、一番力を発揮できるのは右だと思います」と強調。「『ちゃんと自分が一番やりたいところで使ってもらえたら、あのくらいできるよ』というのは、僕が前から思っていたこと」とも語気を強めており、代表でも右を主戦場にしたいと熱望している様子なのだ。

 2人を効果的に使い分けようと思うなら、現時点では、ドイツ戦のように「伊東が先発、久保がジョーカー」という形で出すのが最も無難だろう。ドイツも伊東の猛烈なスピードに翻弄され、対面の左サイドが疲弊。その状況で出てきた久保がダメ押し点をお膳立てしている。

 久保にしてみれば、出場時間が短いという不満はあるかもしれないが、「チームを勝たせる」という最重要タスクを確実に遂行できる。これは悪くない形だ。

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