【湘南】あえて空間を空ける位置取りと絶妙なオーバーラップ。右サイドの新ユニットがJ1残留への鍵に!?

2023年10月06日 岩澤凪冴(サッカーダイジェスト編集部)

「周りを見ながらポジショニングしています」

C大阪戦で右ボランチで躍動した池田(左)と右ストッパーで出場した大岩(左)。良好な関係性で攻撃に厚みをもたらした。(C)SOCCER DIGEST

 右サイドの新ユニットが、浮上の鍵を握るかもしれない。

 9月30日のセレッソ大阪戦に先発した湘南ベルマーレのMF池田昌生とDF大岩一貴。池田は中盤逆三角形の3-5-2の右ボランチ(インサイドハーフ)、大岩は3バックの右で出場した。

 リーグ戦で今季初めて同時に出場した両選手は、息の合ったプレーを披露。特に、池田が空けたスペースを、大岩がタイミングよくオーバーラップして有効活用する動きは非常に効果的だった。

 C大阪戦で、J1では9試合ぶりのスタメン入りを果たした主将の大岩は、右サイドの関係性に手ごたえを感じているようだった。

「(右ウイングバックの岡本)拓也も含めて、3人で上手くやれました。自分も久々に右に入りましたが、ふたりとの関係性と相手との相性もあり、すごくやりやすかったです」

 このコンビネーションの肝となるのは、池田の的確なポジショニングと、周囲への気配りだ。好連係を見せた大岩だけでなく、岡本や2トップの大橋祐紀、鈴木章斗らとも上手く絡みながら攻撃を活性化。背番号27のクレバーな動きが、多くのスペースを生み、周囲の選手をフリーにさせた。
【PHOTO】白熱した神奈川ダービー!湘南ベルマーレサポーターの声援が、ホーム国立競技場に響き渡る!
 池田は自身のプレースタイルを次のように分析する。

「僕がボールを受けられなくても、自分が作ったスペースに誰かが入ってくれればいいですし、ほかの選手がフリーになれればいい。周りを見ながらポジショニングしていますし、セレッソ戦では特に良い形で出せました。セレッソ戦で意識したわけではなく、そこが自分の特長です」

 また、池田は試合中、大岩に強く要求していたという。

「試合中に『このスペース使って』って言わないと、ガンちゃん(大岩)は分かってくれないので(笑)。練習から、右サイドでコンビを組む時は『使っていいよ』と要求している。そこは良い連係を出せたのかなと思います」

 池田の創造性と、大岩の愚直にタスクを遂行するスタイルが掛け合わさり、想像以上の効果を生んだのがC大阪戦だった。自身の持ち味を存分に発揮し、アピールに成功した池田は、今季の残り5試合のキーマンとなりそうだ。

 そして何より、大岩が3バックの中央で様々なことに気を使いながら戦っていた時よりも、いきいきと思い切りよくプレーできていたのが印象的だった。やはりこの背番号22は、ゲームをコントロールするよりも、自ら奔走し、身体を張る姿が似合う。最終盤に先発の座に返り咲いたキャプテンの存在も、池田とともにJ1残留へ奮起するチームに好影響をもたらすだろう。

取材・文●岩澤凪冴(サッカーダイジェスト編集部)

「驚きだった」なぜ遠藤航は前半のみで交代となったのか。現地メディアも疑問視した采配の理由をクロップ監督が説明「他の誰も問題を抱えていなければ...」

「結構怒った」「すごいバカだと思うんですけど...」南野拓実、"意味不明"と世間を騒がせたキックオフドリブルの真相をついに告白。まさかの事実に内田篤人は大爆笑「被害者だったんだね」

「素晴らしいお膳立て」「大きく改善」EL初アシストの三笘薫、現地メディアの評価は?「前半は目立たなかったが...」
 
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事