7季ぶりに欧州最高峰の舞台に立ったアーセナル。選手たちは奮い立ち、エミレーツはまるでCL決勝のような雰囲気だった【現地発】

2023年09月23日 スティーブ・マッケンジー

PSVに4-0で圧勝

CL初戦を白星で飾ったアーセナル。(C)Getty Images

 9月20日、日本代表の冨安健洋が所属するアーセナルとPSVが激突したチャンピオンズリーグ(CL)グループステージ第1節を取材した。

 アーセナルがPSVと対戦するのは、昨シーズンのヨーロッパリーグ(EL)以来。2022年10月のことだが、もうずいぶん前のように感じる。チームはあれから多くの変化があった。

 プレミアリーグでは2位フィニッシュとなり、今夏にはデクラン・ライスやカイ・ハバーツらを獲得。さらに、守護神のGKアーロン・ラムズデイルの対抗馬として、GKダビド・ラジャを新戦力として迎えた。

 ラジャの補強が世間でいろいろと話題になっているが、これは非常に前向きな動きだ。ミケル・アルテタ監督は、常に競争を求めており、選手達をリラックスさせない。これまでラムズデイルが良いパフォーマンスを見せていただけに、新たに優秀なGKを獲得するというのは、そうそうできる決断ではない。指揮官はチームを前進させ続けることを望んでいるのだ。
【動画】アーセナル対PSVのハイライト
 そして7シーズンぶりに帰ってきた欧州最高峰の舞台での初戦は、ほぼベストメンバーに近い状態で臨んだ。早い時間にブカヨ・サカの得点で先制したアーセナルは、前半だけで3ゴール。後半も危なげない試合運びで、さらに1点を追加して4-0の圧勝となった。

 CL初戦というと、比較的静かな試合が多いなか、アーセナルは久しぶりの舞台とは思えないほどの試合巧者ぶりを発揮し、ゴールショーを披露した。

 雨が降りしきるノースロンドンで選手たちは奮い立っていて、まるでCL決勝を戦っているかのようだった。エミレーツは最高の雰囲気に包まれていた。強いて言うなら、アルテタ監督にはレインコートを着ないで、選手たちとともに雨の中で戦っているところを見たかったが(笑)。

 そんな彼らは今季のCL出場チームの中で2番目に優れたチームだと私は思っている。CLとプレミアリーグでの序列は同じで、やはり1番は前回王者のマンチェスター・シティだろう。

 シティは昨季、悲願のビッグイヤーを獲得した。プレミアでは現在3連覇中で、今年も良いシーズンを送るだろう。しかし、もしその座を脅かす存在がいるとすれば、間違いなくアーセナルだ。

文●スティーブ・マッケンジー(サッカーダイジェスト・ヨーロッパ)

著者プロフィール
スティーブ・マッケンジー/1968年6月7日、ロンドン生まれ。ウェストハムとサウサンプトンのユースでプレー経験がある。とりわけウェストハムへの思い入れが強く、ユース時代からのサポーター。スコットランド代表のファンでもある。大学時代はサッカーの奨学生として米国で学び、1989年のNCAA(全米大学体育協会)主催の大会で優勝した。現在はエディターとして幅広く活動。05年には『サッカーダイジェスト』の英語版を英国で出版した。

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