代表帰りの伊東純也は不発。S・ランスで連係の再構築に苦心。味方を活かしつつ「もっと強引に行ってもいいかな」【現地発】

2023年09月18日 元川悦子

主にインサイド寄りの位置取りでプレー

ブレスト戦後に取材に応じた伊東。逆転負けに悔しさを滲ませた。写真:元川悦子

 現地9月9日に行なわれた日本代表のドイツ戦で1ゴール・1アシスト、さらに12日のトルコ戦では追いすがる相手を突き放す4点目のPK弾を決めた伊東純也(スタッド・ドゥ・ランス)が、所属先に戻り、17日のリーグ・アン第5節のブレスト戦にスタメン出場した。

 9月のインターナショナルマッチデー突入前の時点で、ランスは2勝1分1敗の勝点7で7位。同じ中位のブレストに勝てれば、一気に上位躍進もあり得る状況だっただけに、何としても勝点3が欲しかった。

 9月3日のメス戦から2週間で4試合という過密日程にもめげず、伊東は3トップの右で序盤から躍動。この日は幅を取って外で仕掛ける形ではなく、インサイド寄りのポジションで主にプレー。

 昨季から縦関係を形成する右サイドバック、フォケの上がりを引き出し、自身は中でゴールに積極的に関わりたいという思惑があったようだ。

 左FWで先発した中村敬斗が開始早々の9分に、華麗な反転からドリブルシュートを放ち、チームを勢いづけると、ランスは一気に攻勢に出る。そして19分には左サイドのFKからボランチのリチャードソンが巧みに先制点をゲット。中村がフランスリーグ初アシストを記録し、チームは大いに盛り上がった。
 
 伊東自身も前半終了間際の42分、自らのボールカットからFWディアキテとのワンツーで抜け出し、左から持ち込んで右足を一閃。だが、相手GKヒゾットの好セーブに遭ってしまう。

「正直、あれは入ったと思いました。コースもサイドネット側に行ったんで。でも完全に読まれてた。ニアにゴロでも入ったかなと思いますけど、ディフェンダーが2枚いたんで、ちょっと難しかった。あれしかなかったかなという感じです」と本人も悔しがっていた。

 それでも内容的に相手を上回り、1-0で前半終了。スティル監督も「トレビアン」と選手たちに声をかけたという。

 ところが、後半に入ると一気に流れが変化する。ランスは相手の猛攻に押され、守勢に回り始めたのだ。伊東も連戦の疲れから動きが少なくなり、チーム全体が停滞感に包まれる。

 その隙をブレストは逃さない。50分、カマラの同点弾をくらったランスは、56分には相手MFメルにまさかの独走を許し、1-2と逆転されてしまう。

「シンプルなロングボールに上手く対応できなかったのはありますね。それに後半はどんより入っていた。一気に流れを持っていかれました」と伊東も反省する。

【PHOTO】古巣・ヘンクのスタジアムで躍動!自ら得たPKを決め勝利を決定づけた伊東純也を特集!

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