【湘南】最下位脱出へ向けて新たな指導法? 山口智監督が練習に参加、現役時代さながらのプレーを披露「感じたこと、伝えられたことが多かった」

2023年09月14日 岩澤凪冴(サッカーダイジェスト編集部)

「自分の身体が動くうちはやっていってもいい」

トレーニングで選手とともにプレーし、プロ並みのキック精度を見せた山口監督。写真:梅月智史(サッカーダイジェスト写真部)

 9月6日、湘南ベルマーレの公開練習で珍しいシーンがあった。山口智監督が選手とともにピッチでプレーしながら、指示を飛ばしていたのだ。

 そんなこともあるだろう、と思われるかもしれないが、湘南ではあまり見ない光景だった。これまでの練習で山口監督は、選手がプレーする姿を外から眺めつつ、声をかけるスタイルがベースだった。時折、ボールを蹴る機会こそあったが、先日のトレーニングほど長い時間、選手に交じっていた場面は記憶にない。

 山口監督の練習参加は、効果的だったように見えた。指揮官は選手と同じ目線でプレーすることで、チームが抱えている課題の根本を見つめ直す機会を得た。

 また、日本代表も経験した山口智に現役時代さながらの技術力を見せられた選手は「負けていられない」と刺激を受けるだろう。今なおプロ並みのキック精度は、良い手本にもなるはずだ。

 山口監督は14日の練習後のオンライン取材で、自らの練習参加について記者から問われると、次のようにコメントした。

「中に入ってやると、外で見ているよりも実際の選手の視野が分かります。どこが見えていて、どこが見えないのか。選手がお互いを意識するところに課題があるなかで、そういったことを肌で感じられたのは収穫でした。人数が足りなかったこともあり、自分が入りましたが、感じたこと、伝えられたことが多かった。今回の試みは、すごく良かったです」
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 現在45歳の山口監督は、J1で3番目の若さだ(鳥栖の川井健太監督が42歳で2番目。鹿島の岩政大樹監督が早生まれの41歳で最年少。ガンバ大阪のダニエル・ポヤトス監督が45歳で同い年)。自分よりも経験豊富な指揮官が多いなかで、自らプレーして選手とイメージを共有できるのは"若手"の特権だ。

 実際、世界でも若手監督が練習に参加しつつ、指示を送るケースも多い。バルセロナのシャビやレバークーゼンのシャビ・アロンソが美しいキックや足技で見本になれば、元アストン・ヴィラのスティーブン・ジェラード(現アル・イテファク)が強烈なシュートで選手を驚かせる。現役時代に実績を残してきた指揮官ほど、この指導法は効果的と言える。

 山口監督は「監督が中でプレーしすぎてもダメ」とバランスの重要性を強調したが、一定の手ごたえも得ているようだ。

「一緒にやったほうが選手と自分、お互いの感覚が分かりやすいので、やりたかったんです。でも、これまでは人数が足りていましたし、コーチにお願することが多かった。先日の練習では選手に刺激を与えたい狙いもあって入りました。今後も自分の身体が動くうちはやっていってもいいのかなと」

 山口監督の新たな指導法が、選手たちにどう影響するのか。代表ウィークの関係で2週間のブレークを経て迎える次節の北海道コンサドーレ札幌戦で、成果を発揮したい。

取材・文●岩澤凪冴(サッカーダイジェスト編集部)

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