「今までに経験したことがない感覚」澤穂希と岩渕真奈がサッカーの楽しさ伝える。子どもたちは笑顔「私たちにしかできないことがある」

2023年09月11日 西森彰

告知や募集の方法などで工夫

澤氏(左)と岩渕氏(中)がイベントに参加。サッカー初心者の子どもたちと楽しい時間を過ごした。写真:西森彰

 9月8日に現役引退の記者会見を開いた岩渕真奈氏が、翌9日、JFA夢フィールドで開催された「JFA Magical Field Inspired by Disney ファミリーサッカーフェスティバル "First Touch Premium" in 千葉」に、なでしこジャパンの先輩、澤穂希氏とともに参加した。

 このイベントの趣旨は「初めてサッカーボールに触れる子」へのアプローチ。午前、午後の2部に分かれて、小学校1~3年生を中心にしたサッカー初心者の子どもと、その保護者101組202名を対象にして、実施された。

 人数を集めるだけなら「なでしこジャパンの澤穂希選手、岩渕真奈選手と一緒にサッカーできます」とサッカー協会のホームページに載せるだけでいいのだが、それではサッカー未経験の子が縮こまってしまい「サッカーはつまらない」というマイナスイメージを持たれてしまう。そのため、告知や募集の方法などを工夫しながら、初心者を集めている。

 そのため、澤氏、岩渕氏の登場に目を輝かせているのは、どちらかと言えば保護者のほうで、子どもたちの目からは「世界の女子サッカーの景色を変えたレジェンド」も「一緒にサッカーをするお姉さん」だ。ネームバリュー抜きで、サッカーの楽しさを伝えなければいけない。そこがゲストの腕の見せ所だ。

 自らも母であり、このイベントに何度も参加している澤氏は、各メニューでの盛り上げ方も熟知している。その姿を見ながら、初参加の岩渕氏も、子どもたちとの距離感を少しずつ縮めていく。
 
 終盤の鬼ごっこでは、ドリブルで逃走するルールを、全力で追ってくる子どもたちのレベルに合わせて、ボールを離して逃げるというアレンジを加えて、子どもたちに全力でやる楽しさを教えていた。

 澤氏、岩渕氏のこうした努力もあって、参加した子どもたちは皆、一様に笑顔で会場を後にしていた。

 引退後の初仕事を終えた岩渕氏は「(参加した子どもたちに)最後に『ありがとうね』っていう話をした時に『サッカー、やります!』と言ってくれる女の子がいて、今までに経験したことがない感覚になった。好きなことを見つけて楽しんで、それがサッカーで、今後、またどこかで出会う機会があれば嬉しいですけれども、何でもいいので自分らしく、何かしらにチャレンジしてもらえたら」と感想を語った。

【PHOTO】岩渕真奈が涙と笑顔の引退会見で、現役生活に別れ告げる。澤穂希がサプライズ登場も!

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