【セルジオ越後の天国と地獄】厳しいことを言うようだけど、日本が“強かった”わけではないよ

2016年01月31日 サッカーダイジェストWeb編集部

優勝という結果は胸を張っていい。ただ、韓国の試合運びの拙さに助けられた部分もあったね。

日本は逆転勝利で優勝を飾ったが、多くの時間で韓国に主導権を握られていたのも事実だ。写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)

 劇的な勝利だったね。韓国を3-2で下したリオ五輪予選の決勝のことだ。
 
 2点を先行されながら、後半に3点を奪っての逆転優勝。今大会はヒーローが出ないかと思っていたけど、最後に浅野がやってくれた。途中出場で2得点は大きな仕事だ。1得点・1アシストの矢島も素晴らしかった。
 
 優勝という結果は胸を張っていいし、ドラマチックな勝利は日本サッカー界を盛り上げるうえでも良かったね。選手やスタッフには、心からおめでとうと言いたい。
 
 韓国戦の勝因は、やっぱり粘り強さだろう。日本は立ち上がりから韓国の攻撃を受けて、良いところがまるでなかった。なんとか2失点でとどめたけど、展開を考えればもっと取られていてもおかしくなかったんだ。
 
 それでもGK櫛引のファインセーブなどで決定的な3点目を与えなかったことが、後で効いてきたよね。前半から飛ばしていた韓国には試合途中で足を攣った選手がいたけど、日本は早めの選手交代でフレッシュな状態を保った。2点のビハインドを背負っていたから当然の判断だったけど、この交代で上手く試合の流れを変えられたと思う。
 
 それに、韓国の試合運びの拙さに助けられた部分もあったね。韓国は2点をリードしているにも関わらず、3点目を取って試合を決めようとしてきた。そこで決めきれなかったことで、序盤から飛ばしたツケが回ってきたんだ。
 

次ページ2点を先に取られている。この事実を見過ごしてはいけないよ。

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