危機を察知してのシステム変更とも
カウンターの場面で存在感を示した冨安と三笘。写真:サッカーダイジェスト
[国際親善試合]日本 4-1 ドイツ/9月9日/フォルクスワーゲン・アレーナ
2023年9月9日(現地時間)に開催されたドイツとの親善試合に4-1と快勝。いくらドイツの状態が良くないとはいえ、また1失点したとはいえ、日本が快勝と断言できるゲームだった。
4-2-3-1システムでスタートさせた日本は前半、決して受け身に回らず、ある程度高い位置からのプレスでドイツにプレッシャーをかけると、相手のミスパスを逃さず三笘や伊東、さらに菅原らの個人技を活かしてチャンスに繋げていた印象だ。
守備の局面ではボランチコンビの遠藤と守田、CBコンビの板倉と冨安の4人が良い距離感で中央部を固めていたのが印象的だった。失点のシーンのようにセンターを攻略されるピンチはいくつかあったが、この4人を中心に形成された守備組織は悪くなかった。
ドイツにサイドである程度ボールを持たれても日本が崩れなかった一因は、遠藤と守田のポジショニングにある。とりわけ、危険なスペースを潰す守田の位置取りはさすがで、ドイツの攻撃をスローダウンさせる要因になっていた。
前半の課題をあげるなら、ドイツの右ウイング、ザネへの対応だろう。左サイドバックの伊藤がザネとの1対1でやや後手に回り(中に入れないマークの仕方は悪くないものボール奪取まではなかなかできなかった)、そこから崩されるシーンが目に付いた。強豪国を相手にした際の、4バックでのサイドの対応は今後の課題のひとつかもしれない。
この日の日本が優秀だったのは、おそらくそのザネ対策として後半の頭から守備時に5バックを採用した点だ。前半のままではザネの個人技に最終ラインが破壊される、そんな危機を察知してのシステム変更だったように思う。いずれにしても、後半に入ってザネが目立たなくなった事実を踏まえれば、これに関して森保監督の采配は的中した。
2023年9月9日(現地時間)に開催されたドイツとの親善試合に4-1と快勝。いくらドイツの状態が良くないとはいえ、また1失点したとはいえ、日本が快勝と断言できるゲームだった。
4-2-3-1システムでスタートさせた日本は前半、決して受け身に回らず、ある程度高い位置からのプレスでドイツにプレッシャーをかけると、相手のミスパスを逃さず三笘や伊東、さらに菅原らの個人技を活かしてチャンスに繋げていた印象だ。
守備の局面ではボランチコンビの遠藤と守田、CBコンビの板倉と冨安の4人が良い距離感で中央部を固めていたのが印象的だった。失点のシーンのようにセンターを攻略されるピンチはいくつかあったが、この4人を中心に形成された守備組織は悪くなかった。
ドイツにサイドである程度ボールを持たれても日本が崩れなかった一因は、遠藤と守田のポジショニングにある。とりわけ、危険なスペースを潰す守田の位置取りはさすがで、ドイツの攻撃をスローダウンさせる要因になっていた。
前半の課題をあげるなら、ドイツの右ウイング、ザネへの対応だろう。左サイドバックの伊藤がザネとの1対1でやや後手に回り(中に入れないマークの仕方は悪くないものボール奪取まではなかなかできなかった)、そこから崩されるシーンが目に付いた。強豪国を相手にした際の、4バックでのサイドの対応は今後の課題のひとつかもしれない。
この日の日本が優秀だったのは、おそらくそのザネ対策として後半の頭から守備時に5バックを採用した点だ。前半のままではザネの個人技に最終ラインが破壊される、そんな危機を察知してのシステム変更だったように思う。いずれにしても、後半に入ってザネが目立たなくなった事実を踏まえれば、これに関して森保監督の采配は的中した。
確かに、5バックへの変更で日本の最終ラインの位置は前半よりも低くなった。必然的に耐え忍ぶ時間帯も増えた。4-2-3-1であれだけ戦えていたのだから、5バックは愚策との見方もできるかもしれない。
ただ、個人的な感覚は違う。このドイツ戦はあくまで親善試合。カタール・ワールドカップと同じシステムで戦うことで、むしろ日本の強みと弱みを再確認できる貴重な舞台になったように感じた。
結果、再確認できたストロングポイントは日本の5バックシステムは堅固、さらにカウンターは通用するということだ。後半の頭から59分まで、攻撃陣は4-2-3-1、守備時は5-4-1と局面に応じて柔軟に振る舞っていた点もポジティブと言えただろう。個人に目を移せば、万全の冨安はやはりスーパーで、ウイング勢(三笘、伊東、久保)も頼もしかった。
一方、上田以外に最前線でボールを収められるアタッカーが現状見当たらないのはウイークポイントに映った。また伊藤洋頼みになってきた左サイドバックの強化もおそらく課題である。
日本の現在地が見えたという点で、今回のドイツ戦は非常に意義があった。
文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)
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ただ、個人的な感覚は違う。このドイツ戦はあくまで親善試合。カタール・ワールドカップと同じシステムで戦うことで、むしろ日本の強みと弱みを再確認できる貴重な舞台になったように感じた。
結果、再確認できたストロングポイントは日本の5バックシステムは堅固、さらにカウンターは通用するということだ。後半の頭から59分まで、攻撃陣は4-2-3-1、守備時は5-4-1と局面に応じて柔軟に振る舞っていた点もポジティブと言えただろう。個人に目を移せば、万全の冨安はやはりスーパーで、ウイング勢(三笘、伊東、久保)も頼もしかった。
一方、上田以外に最前線でボールを収められるアタッカーが現状見当たらないのはウイークポイントに映った。また伊藤洋頼みになってきた左サイドバックの強化もおそらく課題である。
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文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)
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