【東京V】主戦システムはアンカーを置く4-3-3。期待のドウグラスは、まだ調整段階

2016年01月31日 海江田哲朗

新加入の船山や平、高木純らは順調にフィット。

船山(13番)はボランチでプレー。チームとして守備は機能していたが、攻撃には課題を残した。(C)J.LEAGUE PHOTOS

 ニューイヤーカップの沖縄ラウンドは1勝2敗。3戦とも中盤にアンカーを置く4‐3‐3で入ったが、選手同士の距離感にバラつきがあり、ちぐはぐになってしまう場面が多々見られる。意思統一にはまだ時間がかかりそうだ。攻守の要である中後が故障で不在とあって、チームの構築に手間取っているのは致し方ない面もある。

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 攻撃面は単純にシュート数が少なすぎる。第1戦の札幌戦こそ9本のシュートを放ったが、琉球戦は3本、FC東京戦は2本だ。沖縄キャンプでは、ポゼッションから相手の最終ラインの裏を素早く突くトレーニングや、クロスの効果的な使い方に重点を置いたトレーニングを行っているが、まだ実を結んでいない。

 新加入の船山、平は早くもフィットし、戦力として計算できるメドが立っている。ベテランの高木純も適応力の高さで、特長のポリバレントな能力を発揮することになりそうだ。

 FC東京戦では鈴木が活躍し、GKの定位置争いは激しくなってくるだろう。一方、得点源として期待のかかるドウグラスはようやくコンディションが整ってきたばかりで、これから本格的に周囲とのコンビネーションを確立していくことになる。

「ニューイヤーカップを通じ、リアリティのある実戦経験を積めたのはよかった。攻守とも様々な改善の材料を得ることができました。たとえば、FC東京戦は攻撃の回数を増やすために後半の途中から前線に2枚置き、トップ下を置く形にしましたが、狙いほどの効果を上げられませんでした。状況に応じ、やるべきことをはっきりさせる。このあたりも整理していきたい」(冨樫監督)

 東京Vは2月1日に沖縄キャンプを打ち上げ、これまでの取り組みを取捨選択し、ブラッシュアップの段階に入る。開幕まで1か月を切っており、明白な課題である攻撃面の改善に向け、あらゆる手を打っていくことになるだろう。

取材・文:海江田哲朗(フリーライター)
 
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