紛れもなく日本の攻撃の生命線。三笘薫&伊東純也、両ワイドの推進力がドイツを切り裂く!

2023年09月08日 元川悦子

真骨頂を今こそ示すべき

プレミアでも際立つ存在感を示す三笘。先陣を切って日本の攻撃陣をリードしていく覚悟だ。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 第二次森保ジャパンにとって、重要な試金石となる現地9月9日のドイツ戦が目前に迫ってきた。今回はドイツでのゲームということで、日本代表の26人中21人を占める欧州組は移動負担や環境変化を強いられることなく、十分な調整ができている。

 それは三笘薫(ブライトン)と伊東純也(スタッド・ドゥ・ランス)の両サイドアタッカーにしても大きなプラスと見ていい。彼らが万全の状態でピッチに立てれば、それだけ相手に脅威をもたらせるし、日本の勝機は上がるのだ。

 特に三笘に関しては、7日のトレーニングを見学した元ドイツ代表のピエール・リトバルスキー氏が「ミトマ大好き。ドリブルもあるし、ポゼッションもできるし、サイドで突破もできる。ビッグタレント」と絶賛した通り、誰もが認めるエース格と目されている。

 今季のプレミアリーグでは開幕4戦で1ゴール・3アシストと結果もついてきている。8月19日のウルヴァーハンプトン戦で挙げた得点は、プレミア公式の8月の月間最優秀ゴールの候補にも選出されたほどだ。

「チーム(ブライトン)も良い入りをしていると思いますし、自分の試合に出れてるんで、順調に来ていると思います。ただ、やっぱり最後の質だったりはまだまだ足りない。もっともっとチャンスに顔を出せるようにしたい」と本人も手応えと課題の両方を口にしていた。

 そのうえで、2022年のカタール・ワールドカップ(W杯)以来のドイツとの再戦に挑むことになるが、10か月前の対戦時の三笘はあくまでスーパーサブ。57分から登場したものの、守備に忙殺される時間が長く、仕事らしい仕事と言えるのは、堂安律(フライブルク)の同点弾の起点となるパスを南野拓実(モナコ)に供給したシーンくらいだった。

 ただ、今回は先陣を切って日本の攻撃陣をリードしていく覚悟だ。
 

「前回は35~40分程度しか出ていないし、守備的な位置でのプレーでしたけど、今回は攻撃的な良さを出したい。自分の中で(前進の)手応えは少しずつはあるので、ドイツの選手との対戦でそれを見せられればいいと思ってます」

 今回、ドイツは右SBにヨシュア・キミッヒ(バイエルン)を据えると言われており、左サイドを主戦場とする三笘は彼とのマッチアップに勝たなければいけなくなる。

 キミッヒはここ最近はボランチや中盤で名を馳せているが、代表入り当初は右SBで、EURO2016や2018年のロシアW杯でもその位置でプレーしている。

 経験豊富で難敵ではあるが、三笘がブライトンでプレーしている時と同様、できるだけ高い位置でボールを持てるように仕向けられれば、かなりの迫力を出せるはずだ。

 逆に前回のドイツ戦の前半のような守備一辺倒の展開になると厳しい。是が非でも勝ちが欲しいドイツは序盤から猛攻を仕掛けてくると見られるため、耐え忍ぶ時間帯も出てくるだろう。

 そこで三笘は守備で貢献し、さらに攻撃で違いを作る必要がある。体力的な負担は大きいが、両方の役割を遂行して結果を出せば、誰もが認めるエースになれる。三笘の真骨頂を今こそ示すべき時である。

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