「愛しているチーム。でも、勝ちたい」湘南DFキム・ミンテが古巣との一戦を前に熱い想いを明かす「ミシャさんは恩人」

2023年09月11日 岩澤凪冴(サッカーダイジェスト編集部)

「出会えたことを神様に感謝しています」

4シーズン半の間、札幌で戦ったキム・ミンテ。“ミシャ”の愛称で親しまれるペトロヴィッチ監督との出会いは、自身のキャリアの転機となった。写真:田中研治(サッカーダイジェスト写真部)

 湘南ベルマーレは9月16日にJ1第27節の北海道コンサドーレ札幌戦を迎える。

 リーグ戦では2019年の開幕節以来勝てていない難敵とのアウェー戦。湘南が最後に札幌の地で勝利を収めたのは2011年の4月23日、現社長の坂本紘司が決勝点を挙げて1-0で決着した一戦までさかのぼる。

 湘南はシーズン終了まで残り8試合で、現在最下位。終盤戦での巻き返しを図りたいタイミングで、相性の悪い相手とのゲーム。どうしても不安が募りそうだが、2017年から21年の夏まで札幌に在籍したキム・ミンテは、次節を心から楽しみにしているようだった。

 札幌のことを「愛しているチーム」と隠すことなく本心を口にしたキム・ミンテは、次のように続ける。

「でも、勝ちたい。札幌は今季、すごく良いサッカーをしていますが、湘南がもっと良いサッカーをできる準備をして、上回りたいです」
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 自身のキャリアで、最も長く在籍したのが札幌だ。そのなかでも、18年からの3シーズン半をともにしたペトロヴィッチ監督との出会いは、自身の最も大きな転機だったという。

「ミシャさん(ペトロヴィッチ監督)に出会うまで、自分は下手くそでした。ミシャさんのお陰で、上手くはなってはいないかもしれませんが、Jリーグで戦える選手になれた。僕が好かれていたかは分かりませんが(笑)、使ってくれて、成長させてくれた。ミシャさんは恩人ですし、出会えたことを神様に感謝しています」

 特に印象的だった"ミシャさん"からの教えを記者から問われると、少しはにかみながら次のように語った。

「それは僕が5年間、ミシャさんと一緒に戦って得た財産なので、簡単には教えられません(笑)。でもシンプルに言えば、常に相手を見ながらサッカーすることやビルドアップの仕方、怖がらずにチャレンジすることで自分の実力が伸びてくるという考え方です」

 そんな恩人が指揮する札幌を相手に、キム・ミンテはどんな活躍を見せるのか。"ミシャさん"に仕込まれたというロングフィードや持ち運び、あるいは元々の武器である屈強さを生かしたセットプレーで恩返し弾を叩き込んでも面白い。

取材・文●岩澤凪冴(サッカーダイジェスト編集部)

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