プレミア2年目でマークは厳しくなったか?三笘薫が明かすイングランド代表DFとの攻防。「本当に難しくなっている」【現地発】

2023年09月06日 江國森(サッカーダイジェストWeb編集部/現地特派)

「このレベルで簡単に抉るのは難しい」

激しいマッチアップを演じた三笘(左)とトリッピアー。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 現地で取材した9月3日のブライトン対ニューカッスル戦(3-1)、三笘薫とイングランド代表DFキーラン・トリッピアーのマッチアップは見応えがあった。

 三笘がプレミアリーグデビューを飾った昨シーズンの対戦で、ニューカッスルの右SBトリッピアーは途中出場の日本代表アタッカーに翻弄され、短時間で何度も突破を許した。

 その時の印象が強いのだろう。キョロキョロと常にブライトンの22番を探して、ポジションを確認。リードを許す展開でもほとんど攻撃参加せず、対面の相手をフリーにするのを嫌がっていた。

 そんな状況ながら、三笘は「(自身との)間を空けてくれる時もあった」という感覚だったという。だが、縦の突破はほとんど封じられ、カットインからのシュートは身体でブロックされた。さすが、人一倍守備にうるさいアトレティコ・マドリーのディエゴ・シメオネ監督が獲得した選手だ。簡単にはやらせてくれない。

 それでも、厳しい監視の目を掻い潜って先制点に繋がるシュートを放ち、3点目をアシスト。目に見える結果を残せるのは、成長の証左だ。

【動画】18歳のハットをお膳立てした三笘のアシスト
 日本代表に合流した三笘に、改めてトリッピアーとの1対1について尋ねると、こう振り返った。

「相手(トリッピアー)がチームとして戦術的に残ってたのかというのは分からないですけど、僕も彼の攻撃参加のところをよく見ていました。攻撃・守備、どちらもやらないと試合に出られないので、攻撃のところではなかなか難しかったですけど、守備のところでは貢献できたと思います」

「プレミアリーグ2年目でマークが厳しくなったと感じるか?」との問いには、「どの相手も本当に難しくなってきますけど、その中でいろんなアイデアを出しながらやれているのは確かなので、そういういろんな選択肢を見せていきたいなとは思ってます」と答えている。

 ニューカッスル戦後の取材でも、縦に抜けるシーンが少なくなっている点を指摘されると、「このレベルで簡単に抉るのは難しいので。(カットインなどの)選択肢が増えるのはポジティブに捉えています」と語っていた。

 マークが厳しくなれば、それを上回るアイデアを出していく。そうした駆け引きをある意味で楽しんでいるようだ。

 ニューカッスル戦後、終了間際の不可解な判定もあって厳しい表情をしていた三笘だったが、トリッピアーとは談笑していた。「プライベートのことなので」と話の内容は教えてくれなかったが、激しいマッチアップした2人はお互いに健闘を称え合ったのだろう。

 このハイレベルな攻防を見られただけでも、イングランドまで足を運んだ甲斐があったと思う。

取材・文●江國森(サッカーダイジェストWeb編集部/現地特派)

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