女子ワールドカップ終了後、大会得点王に輝いた宮澤ひなた選手にインタビュー取材できる機会があった。どんな質問にもハキハキと答えてくれた姿がとても印象的で、メディアへの対応もまさにプロだった。

　この時はまだマイナビ仙台レディースから「離脱」のクラブリリースは発表されてなかったが、「海外移籍」について訊いても宮澤選手は次のように話してくれた。

「その願望はサッカーをやってきた中であったものです。プロサッカー選手としてはもっと成長したいですし、高いレベルでやりたい想いはあったので、そこはブレてないです。今回のワールドカップを通じて、もっと高いレベルでやって成長したいとの想いは強くなりました」
 

　デリケートなタイミングでの質問にも関わらず、しっかりと回答。ただ、そんな宮澤選手が動揺した場面が実はあった。インタビュールームに入ってきて、なでしこジャパンのメンバーの駒が貼ってあるフォーメーションボードを見た直後である。宮澤選手はこう言ったのだ。

「えっ、戦術的な質問にも答えないといけないんですか。苦手なんでやめてください（苦笑）」

　それでも、インタビューが始まると何のその。戦術的な質問にも無難に対応してくれた宮澤選手は、やはりプロだった。

取材・文●白鳥和洋（サッカーダイジェストTV編集長）


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