なぜ神戸に勝ち切れなかった? 「前節のマリノス戦も」と長友佑都が指摘した“脆さ”【FC東京】

2023年08月27日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

試合後の表情は険しかった

長友自身は神戸戦で好プレーを見せたが、チームの勝利に繋がらず。写真:サッカーダイジェスト

 2023年8月26日に国立競技場で開催されたFC東京と神戸の一戦は壮絶な展開の末に2−2の引き分けに終わった。2度リードしながらも白星を掴めなかったFC東京の無念は、試合後の長友佑都の表情を見てもうかがえた。

 無念というよりは怒りか。ミックスゾーンに現れた長友の表情は正確に言えば"険しかった"。実際、本人も「悔しい気持ちだけが残っている」とコメントしている。

「勝っている状況でしっかりと守り切らないといけなかったし、(前節の)マリノス戦もそうで、最終的にアディショナルタイムで決められている。自分たちのこれが実力というか、脆さだと思う。こういうところを改善しないと優勝争いに絡めないと思うので、課題は多いかなと」

 90+2分に1−1と追いつかれながらも、90+10分にはアダイウトンのゴールで一旦は勝ち越した。この瞬間、スタジアムのボルテージはマックスに達し、これでFC東京の勝ちだろうという雰囲気があった。しかし、その4分後、一瞬の隙を突かれて山口蛍に強烈なボレーを叩き込まれてしまう。勝ち切らないといけない試合で勝ち切れない。「脆い」という長友の表現は言い得て妙だろう。
 
 引き分けてしまった原因は「しっかりと試合を締められなかった僕にもある」と長友は言うが、このゲームではむしろ若手のお手本となるプレーを見せた。とりわけ大迫勇也へのプレッシングが素晴らしく、球際での競り合いの強さを存分に披露した。

「良い選手たちと対戦すると、モチベーションが上がるし、今日はヨーロッパで試合をしているような、デュエルの強さを披露したかったんで。Jリーグは面白いな、凄いレベルが高いなと思ってもらいたかった」

 だからこそ、勝ちたかった。

「ただ、負けたようで本当に悔しいです」

 立ち去る直前のこのコメントに、勝てなかった怒りが込められているような気がした。

取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)

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