「自分を変えてもらいました」浦和戦でJ1デビューを果たした湘南MF福田翔生。飛躍の理由はレジェンドの金言「ふたりが伝えてくれた」

2023年08月29日 岩澤凪冴(サッカーダイジェスト編集部)

「『まだまだだな』という感じは全然しなかった」

浦和戦でJ1デビューを果たした福田。夢のひとつに、兄・湧矢(G大阪)との兄弟対決を挙げる。写真:梅月智史(サッカーダイジェスト写真部)

「色々な感情がありました。不思議な感じです。嬉しさもあり、燃える感じもあり」

 今夏にJ3のY.S.C.C.横浜から湘南ベルマーレに完全移籍した福田翔生。J1デビューを飾った25節の浦和レッズ戦(●0-1)後、自らの胸中を素直に明かした。

 福田は2022年シーズン終了後のオフに、3年間在籍したFC今治を契約満了で退団。今季から「拾ってもらった」(福田)ような形でYS横浜に加入すると、星川敬監督のもと、FWで新境地を開き、夏までにプロ初ゴールを含む11得点をマークした。

 J3で圧巻の数字を残した今季の前半戦を、福田はこう振り返る。

「手応えしかなかったです。自分のプレーがすべて変わりました」

 指揮官によるMFからFWへのコンバートや、スタッフの手厚いサポートも福田を変えた要素のひとつだろう。本人もYS横浜のコーチ陣に対して「感謝しかない」と語ったが、飛躍を遂げた背景にはふたりの元チームメイトによる助言があったのだという。

「監督やコーチはもちろんですが、松井大輔さんや中里崇宏さんにも自分を変えてもらいました。自分はスピードに自信がありますが、今治時代はその武器を最大限に活かし切れなかったんです。ふたりが伝えてくれた『もっと相手の嫌なところに飛び込んでいけ』ということをやり続けていくうちに、それが自分の強みになりました」
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 特に印象的なレジェンドからのアドバイスもあったという。

「大輔さんには、『ピッチに入ったら自分が一番上手いと思ってやれ』と言われました。自分の考え方が変わったきっかけのひとつです」

 今治を退団後、「今年ダメだったら終わりという覚悟で臨んだ」(福田)今シーズン。死に物狂いで努力し、新天地で周囲の人たちにも恵まれて成長した結果、実質的な戦力外通告からわずか半年でJ1の舞台に上がり、さらにその8日後、移籍後初出場を果たす。

 ホームでの浦和戦で87分からピッチに立つと、積極的に攻撃に絡み、クロスからチャンスを創出する場面もあった。チームに勝点をもたらせずも、新加入の22歳にとっては短い時間で自身の武器の片鱗を見せられた一戦だったはずだ。山口智監督も試合後、福田について「長い時間、使ってみたいと感じた」とコメントしている。

 福田本人も一定の手応えを得たようだ。

「チーム内で一番点を取っている(大橋)祐紀君や、同じ新加入のレレ君(ディサロ燦シルヴァーノ)とどう絡むかを意識しました。また、自分は背後への動きが得意なので、相手の嫌なところに飛び込もうと考えていました。少しだけ足りなかったですが、『まだまだだな』という感じは全然しなかったですね」

 また、今シーズンの残り9試合での目標も語った。

「絶対に残留できるように、チームに貢献します」

 言葉数が多いわけではないが、確かに示した覚悟。J3で得た勢いそのままに、ゴール量産できるか。福田の活躍が、降格圏に沈むチームの結果に直結しそうだ。

取材・文●岩澤凪冴(サッカーダイジェスト編集部)

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