18歳にしてドイツでデビューした丸岡満。リオ五輪世代注目のアタッカーが語る、海外で心を掴む『言葉だけではない“コミュニケーション方法”』

2016年01月27日 ミムラユウスケ

転機はドルトムントのスイスキャンプ。「そのイベントの後、みんなが話しかけてくれたんです。『お前がゴールを決めたら、一緒にカンナムスタイルを踊ろうぜ』って(笑)」。

ドイツでは約2年間プレーし、最先端の戦術のなかで自分の活かし方を知った。1月28日発売の『サッカーダイジェスト』では、より詳細に渡るインタビューを掲載。写真:千葉 格

 ドルトムントからC大阪に2年ぶりに復帰した丸岡は、"価値ある経験"を持ち帰ってきた。
 
 ドイツに渡ってから約9か月後、彼は18歳の若さでチャンスを掴み、ドルトムントでリーグ戦デビューを果たしている。ドイツ語はまだ拙かったが、言葉だけではないコミュニケーション方法で、チームメイトの心を"鷲掴み"にしたという。
 
 デビューまでの日々と海外での"コミュニケーション方法"について、リオ五輪世代注目のアタッカーは次のように語った。
 
――2014年9月21日、ドルトムントに在籍していた丸岡選手は、日本人最年少の18歳にして、4節・マインツ戦でトップデビューを果たしました。その時は思わぬ形でチャンスが巡ってきたそうですが?
 
「シーズン前、トップチームはスイスキャンプ中で、僕のいたセカンドチームはシーズンが始まっていました(当時、ドルトムントU-23は3部リーグに所属)。ただその時、セカンドチームの控え選手の一部が、トップのキャンプに帯同することになり、僕も呼ばれたんです」
 
――そこで必死のアピールをしたと?
 
「トレーニングからアピールして、練習試合で90分間フル出場すると、プレーを評価してくれたんです。当時はあまりドイツ語を話せなかったので、どんどん輪に入ってコミュニケーションをとることを、とにかく意識しました。するとそのキャンプ後、セカンドチームでもスタメンで出られるようになったんです」
 
――周囲とコミュニケーションをとる上で、なにか工夫などされたのですか。
 
「イジられキャラになるというか、クロップ監督からなにかイジられたら、すかさずリアクションをとるようにしていました。あとはスイスのキャンプで、毎年、新加入選手が一発芸をすることになっていたんです。
 
 インモービレ(現セビージャ)はイタリアの歌を唄い、アドリアン(ラモス)はコロンビアのダンスを踊り、僕はなぜか、みんなから『カンナムスタイルを踊れ!』と言われたんです。しかも韓国人のチ・ドンウォン(現アウクスブルク)がいるのにですよ(笑)」
 
――チ・ドンウォンも新加入選手でしたが?
 
「はい。そしたら、ドンウォンは『俺、無理』と拒否したんです。『ならば僕が、ひとりで行きます!』とスクリーンに移ったカンナムスタイルの映像に合わせて踊ったら、もうみんな大爆笑で(笑)。人生のなかで、最も多くの人を笑わせた瞬間かもしれませんでした。そのイベントの効果は結構大きくて、それからみんなが話しかけてくれたんです。『おまえがゴールを決めたら、一緒にカンナムスタイルを踊ろうぜ』って(笑)」
 

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