【柏/新加入選手】リオ五輪世代、期待の守護神・中村航輔が古巣で飛躍を誓う

2016年01月20日 多田哲平(サッカーダイジェスト)

「チームの勝利に貢献できるプレーが求められているので、それに応えられるように結果を出したい」

福岡に残る選択肢もあったが、「悩んだ結果、今年1年自分でレイソルでやると決めた」と、今はJ1挑戦に意欲を燃やす。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

 「ゴールキーパー、背番号23、中村航輔!」
 
 1月16日に行なわれた柏の新体制発表会見でこの名前が呼ばれた時、一際大きな歓声が上がった。サポーターからの大きな期待が表われた瞬間だった。
 
 声援を一身に受けた20歳のGKは、柏の下部組織で育ち、各年代別代表に選出されてきた逸材だ。2013年にはトップチームに昇格するが、度重なる負傷の影響もあり菅野孝憲と桐畑和繁の牙城を崩せずリーグ戦出場はなかった。しかし昨季、期限付き移籍先の福岡で、才能を開花させる。J2・10節でデビューを果たし、24節からはスタメンに定着。気迫溢れるセービングでピンチを防ぎ、チームに勢いをもたらすと、プレーオフでも安定した守備で福岡の昇格に貢献した。
 
 「(昇格という)目標を達成できたので、自信になっています。初めてJリーグに出場して、出場数も増えた。さらにプレーオフを経験して、1点の重みをより感じるようになった。大きな舞台での試合を体感できたのは良かったと思っています」
 
 福岡での経験を経てより逞しさを増した中村は、リオ五輪最終予選のメンバーに選出される。しかし、またも負傷に見舞われ、カタールに行くことができなかった。それでも、気落ちすることなく、「リオ五輪の出場権をとってくることが僕たちの目標だったし、それを果たしてくれると思っている。本大会に向けてレイソルでやるべきことを一日一日やっていくことが、離脱した自分の仕事だと思っている」とリオ五輪本戦への意気込みを語った。
 
 現在は「試合を100パーセントでできるコンディションではないですけど、メディカルコーチと相談してできるメニューから少しずつやっている」状態だ。しかし、取材に答える姿は堂々としたもので、「もちろん試合に出ることがまず目標。そのなかでチームの勝利に貢献できるプレーを求められていると思っているので、それに応えられるようにピッチで結果を出したいと思っています」と来季への自信を覗かせた。
 
 リオ五輪世代として、柏の下部組織出身として、サポーターから大きな期待を背負う守護神が、古巣でのさらなる飛躍を誓う。

取材・文:多田哲平(サッカーダイジェスト編集部)
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事