【韓国メディアの視点】早ければ準決勝で日韓戦。その際に韓国は「守備に比重を置く可能性が高い」

2016年01月19日 慎武宏

印象的なのは3選手。植田、久保、鈴木だ。

リオ五輪予選を現地取材するチェ・ヨンジェ記者は、「重要な局面できっちりゴールを決められる選手がいるのは大きい」と鈴木を評価した。写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)

 リオ五輪アジア最終予選を兼ねたU-23アジア選手権。手倉森誠監督率いるU-23日本代表はグループBを1位で通過し、早々と決勝トーナメント進出を決めた。

 その戦いぶりを韓国記者はどう見ているのか。カタール・ドーハで取材する『イルガン・スポーツ』のチェ・ヨンジェ記者に聞くと、開口一番にこんな言葉が返ってきた。
 
「まだ大会は始まったばかりですが、日本は堅固なサッカーをしますね」
 
 主にU-23韓国代表を取材しているチェ記者だが、U-23日本代表の事前情報は把握していたという。
 
「日本は一昨年のアジア大会に21歳以下の選手を送り込むなど、リオ五輪出場に向けて長い期間準備してきたことは知っています。日本サッカー協会がカタールに専属調理師を派遣して、選手たちの食事面にも万全を期していることは我々韓国記者たちの間でも話題になっています。

 大会直前にイエメン、ウズベキスタンと強化試合を行ない2試合連続で0-0に終わった時はさほど期待はしていなかったのですが、大会が始まり2試合で5得点、失点ゼロの2連勝を飾った姿を目の当たりにして、日本の底力を感じました。相手を圧倒したわけではないが、どんなチームを相手にしても押されることはない試合運びが印象的です」
 
 チェ記者は初戦の北朝鮮戦が典型的だったという。
「北朝鮮は中国に負けず劣らずタフなサッカーをするチームでしたが、精密さに欠けていました。逆に日本はパワーやフィジカル面は北朝鮮に劣りましたが、試合運びでは北朝鮮を上回っていた。日本と北朝鮮の試合はそれぞれの特長が出ましたが、全体的に安定した試合運びをした日本が勝利したのは、当然の結果だったと思います」
 
 そんなU-23日本代表のなかでも、3人の選手が印象的だったという。
「北朝鮮でゴールを決めたDFの植田直通、タイ戦で2得点を決めた久保裕也、北朝鮮戦ではポストに嫌われるもタイ戦ではきっちりゴールを決めた鈴木武蔵です。重要な局面できっちりゴールを決められる選手がいることは大きいでしょう」
 

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