コミュニティ・シールドでアーセナル新加入のライスが躍動!一方で古巣は代役を見つけられず、ファンの不安が募る【現地発】

2023年08月07日 スティーブ・マッケンジー

大金を得たにもかかわらず…

シティ戦に先発出場を果たしたライス。(C)Getty Images

 8月6日、ロンドンのウェンブリー・スタジアムで開催されたコミュニティ・シールドで、昨季2位のアーセナルとプレミア王者マンチェスター・シティが激突した。
【動画】アーセナル対シティのハイライト
 この大会は通常、昨シーズンのプレミアリーグ優勝チームとFAカップ優勝チームが対戦するものだが、シティはこの2つを制したため、リーグ2位となったアーセナルが出場した。

 試合は劇的な結末で、シティがコール・パーマーのゴールで先制したものの、後半アディショナルタイムにアーセナルのレアンドロ・トロサールが同点弾を決める。そのままPK戦に突入すると、シティはケビン・デ・ブライネとロドリが失敗したのに対し、アーセナルは4人全員が成功。アーセナルが3年ぶりに戴冠を果たしたのだ。

 ウェストハムファンの私としては、やはりこの夏にウェストハムからアーセナルに加わったデクラン・ライスに注目してしまう。彼はこの試合に先発出場し、さっそく存在感を放っていた。
 
 もし、彼がまだウェストハムでプレーしていたら、おそらくこのようなコンペティションには出られないだろう。だからこそ、ライスはトロフィーを狙えるクラブへの移籍を決断したのだ。

 新天地でも彼は素晴らしいシーズンを送り、アーセナルとイングランドのために多くの賛辞を受けるのは分かっている。

 私は彼がもうウェストハムの選手ではないという事実に対処しなければならないが、正直言って、それは少し時間がかかりそうだ。ウェストハムでの彼はとても良いパフォーマンスを見せていたことと、ハマーズを本当に愛していたのもあって、クラブにとって偉大な存在だったからだ。

 一方でウェストハムは、ライスを放出して大金を得たにもかかわらず、彼の代役もまだ見つけられていない。せっかくの資金を上手く投資に回せておらず、思うような戦力強化もできていないため、ファンは不安を募らせている。

文●スティーブ・マッケンジー(サッカーダイジェスト・ヨーロッパ)

著者プロフィール
スティーブ・マッケンジー/1968年6月7日、ロンドン生まれ。ウェストハムとサウサンプトンのユースでプレー経験がある。とりわけウェストハムへの思い入れが強く、ユース時代からのサポーター。スコットランド代表のファンでもある。大学時代はサッカーの奨学生として米国で学び、1989年のNCAA(全米大学体育協会)主催の大会で優勝した。現在はエディターとして幅広く活動。05年には『サッカーダイジェスト』の英語版を英国で出版した。

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