なでしこJはなぜスペインを枠内シュート2本に抑えられたのか?「自動的にチームみんなでできる」と猶本光も手応えを語る守備組織

2023年08月01日 渡邊裕樹(サッカーダイジェスト編集部)

GS3戦で、変幻自在な姿を見せる

快足のパラジュエロ(中央)囲い込む遠藤(左)と猶本(右)。(C)Getty Images

【女子ワールドカップ・グループステージ第3節】日本 4-0 スペイン/7月31日/Wellington Regional Stadium

 なでしこジャパンは7月31日、女子ワールドカップのグループステージ第3戦でスペインと対戦し、4-0で勝利を収めた。日本はGSを3戦全勝。計11得点、無失点と他を寄せつけない強さを見せた。

 首尾よくゴールを積み重ねた攻撃とともに、守備組織の素晴らしさが際立った。スペイン戦では相手に65パーセントのボール保持を許してはいたが、低めに形成したブロックの前でボールを"握らせた"という格好だ。

 さらに、前線から絶妙な距離感で相手のパスコースを限定。要所でボール奪取にチャレンジし、効果的な攻撃をさせず相手の枠内シュートを2本に抑えた。

 狙いどおりの戦いに持ち込んだ大きな要因のひとつが、相手への徹底した対策と共通認識の高さだ。

「後ろがしっかりとリスクマネジメントして、ブロックを作って、危ないクロスをクリアしてくれているのが大前提として、そこへ限定したボールが行くようにハードワークがチームとして求められている。

 今のフォーメーションは試行錯誤で始まった部分もあったのですが、ここにきてチームの積み重ねが、ゾーンによってどんな守備をするのか、どこでスイッチを入れて連動していくのか、自動的にチームみんなでできるようになっている」と、この試合にシャドーで先発した猶本光も自信をのぞかせた。
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"自動的にできた"感覚こそが、今のなでしこジャパンの強さの根幹かもしれない。

 GSのザンビア戦、コスタリカ戦では、相手のスピードを警戒しながら、自分たちがボールをつないで崩していくスタイルを実践し、スペイン戦は堅守からのカウンターと変幻自在な姿を見せる。

 8月5日に行なわれる、ノックアウトステージのノルウェー戦ではどんな戦いを見せてくれるか。「分かっていても止められない」と、そんな状況に陥らないかぎり、なでしこジャパンの快進撃は続きそうだ。

取材・文●渡邊裕樹(サッカーダイジェスト特派)

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