［インターハイ１回戦］東山 ３－２立正大淞南 ／７月29日／東光スポーツ公園球技場A

　昨年度の選手権準優勝の東山が、初戦で難敵の立正大淞南を３－２で下し、２回戦に駒を進めた。

「相手はどんどん前から圧力をかけてくるチームだと事前に分かっていたので、意識をしていました。先制を許してしまったのですが、そこからは落ち着いて対応できたと思います」

　試合後、そう語ったのは左サイドバックの志津正剛だ。180センチのサイズと正確な左足のキックを持つレフティは、今年のチームで唯一、昨年からのレギュラーだ。

　昨年のチームはアタッカーにタレントを揃えていたが、全体的に高さがなかった。そのなかでチームのハイボール対応で奮闘し、正確な左足のフィードで攻撃の起点になっていた志津は、選手権では６試合すべてにフル出場を果たした。だが、昨年のことを聞くと、彼はこう口にした。

「僕がというより、周りの３年生たちがずっと支えてくれましたし、３年生が頑張ったからこそ、勝ち上がることができたと思っています。僕はあくまで国立も連れて行ってもらった立場です。だからこそ、決勝で貢献できなかった自分が悔しいし、今年は他の３年生たちと団結して勝ちを重ねていきたいんです」
 

　今年、プリンスリーグ関西で開幕２連敗を喫すると、思うように勝てなかった。しかし、インターハイ予選では安定した戦いぶりを見せて優勝すると、その後のプリンスではガンバ大阪ユースを下すなど３戦負けなし。徐々に調子を上げて、この大会に臨んできた。

　立正大淞南戦では立ち上がりこそ不安定だったが、志津の言葉どおりに失点をしてから落ち着きを取り戻すと、前半のうちに逆転に成功した。後半、志津は前半と違って高い位置に張り出すのを控え、中央からの突破を仕掛けてくる相手に対して中に絞って、ブロックを作り出しては、正確なパスとフィードを使い分けながら全体のリズムを整えた。

　さらにボールへのアプローチやシュートコースに身体を入れるなど、ハードワークと冷静さを持ち合わせて最後まで対応した。

「今年のチームは力強いというか、ボールへの執着心が強い。守備面で相手の嫌がるプレーができれば、カウンターがよりしやすくなって自分たちの得点につながるし、僕らが圧をかけることで、相手がルーズなボールをこっちに蹴ってくるので、僕らディフェンスラインが対応しやすくなる。それが今、チームとして調子が上がっている要因だと思います」

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