【指揮官コラム】特別編 三浦泰年の『情熱地泰』|「運命」の地、富山へ向かうまでの舞台裏

2016年01月15日 サッカーダイジェスト編集部

いくつかの気になった点と、予約ミス…。タイ行きを取りやめたその日に、カターレとの面談が。

チームに熱い声援を送る富山のサポーターたち。2016年は、この地で指揮を執ることが決まった。(C) J.LEAGUE PHOTOS

 人生を語るうえでよく「運命」という言葉が使われるが、その「運命」とは、「運」とはなんであろうか?
 
 僕は今、東京駅から北陸新幹線「かがやき」に乗り、富山に向かっているが、やはり「運命」の地だと感じている。
 
 僕は年末、カターレ富山からの話を頂いた日、本来ならタイのチェンマイへ行く予定にしていた。
 
 理由はタイで半年近く、心身統一の朝稽古、トレーニングを一緒にやっていた友人のベンという女の子がムエタイのリングでデビューすることになったので、観戦しに行く予定を組んでいたのだ。
 
 出発の日はクラブワールドカップで世界一が決定する決勝当日で、2泊5日という強行スケジュールを組んでいた。
 
 ところが事態は急転。出発の数週間前に予約のチェックをすると予約が入っていないのだ。取り直すべきか、しかし同じ便では取れない、便を微調整すれば試合日には間に合う。
 
 本来ならイラつきを抑えながら必死になる所だが、なぜか冷静に「止めにしよう」と、早く決断した。彼女のデビュー戦はチェンマイにいる時から必ず行くと言っていたし、必ず現地で見届け、セコンドに入るとも友人に言っていた。きっと勝てば涙するであろうとも言っていたのに、先方に伝える前にキャンセル、行くことを断念した。
 
 偶然だが、理由は何点かあった。ひとつはあまりにも強行スケジュールであるということ。帰国した日に静岡へ移動してテレビ出演の仕事が入った。出発の日がクラブ世界一決定戦の決勝。きっとバルサとリーベルであろう。チケットも用意してないのに氣になる…… 。その翌日には、今回は行く予定ではなかった、S級リフレッシュ講習も予定されており、ハリル監督の講義も聞きたい……。
 
 氣になる何点かと、予約のミス。上手く(?)重なったなかでのチェンマイ行きキャンセルだった。すると、その日(チェンマイ到着予定日)にカターレ富山の強化部長との面談が予定されたのだ。もちろんその日、僕の予定はなにもなかった。
 

次ページクラブとの面談を終えた翌日、僕は新幹線で富山に向かった…。

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