若くして頭角を現した選手は、得てして最高級の選手と比較されがちだ。そして比較対象となった選手ほどのインパクトを残せないことも少なくない。

　英スポーツサイト『GiveMeSport』は７月20日、過去に「次のリオネル・メッシ」と呼ばれた16人の選手たちの現在を紹介した。日本の宮市亮や、ヴィッセル神戸でプレーした元バルセロナのボージャン・クルキッチらもリストアップされている。

　同サイトは宮市について、「かつて『日本のメッシ』と呼ばれたリョウ・ミヤイチは、日本の横浜F・マリノスでプレーしている」と伝えた。

「アーセナルが明らかにミヤイチにポテンシャルを感じていたのを覚えているファンもいるかもしれない。2011年にアーセン・ヴェンゲルが獲得したときは、多くが王者になるかもしれないと考えた。しかし、スカウトが活躍すると考えたほどにミヤイチが良くはなかったことは明らかだ。そしてアーセナルでのリーグ戦出場わずか１試合で、2015年にガナーズを離れた」

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　一方、ボージャンについては、「まだメッシが比較的若かったころから、その後継者として称賛されたクルキッチは、わずか17歳でバルセロナデビューを飾って脚光を浴びた」と報じている。

「日本に移籍するまでに、ストークやアヤックス、ローマといったクラブでまずまずのキャリアを過ごしたボージャンだが、おそらくはメッシとの比較という重圧が成長の助けにならず、多くの人が考えたようなことをできるようにはならなかった」

　しかし、メッシのようになれなかったからといって、宮市やボージャンら、同サイトがリストアップした選手たちに才能がなかったということにはならない。

　GiveMeSportも「結局、メッシは多くの人にとって、21世紀だけでなく歴代でも最高の選手だ。だから、どんな理由であれ、バルセロナのレジェンドほどの選手になれず、同じように素晴らしいキャリアを送ることができなかったからと、このリストの選手たちを責めることはできない」と締めくくった。

「彼らを非難することはない。彼らの多くは素晴らしい才能を持つ選手たちだ。アルゼンチンの魔法使いがキャリアを通じてやってきたことの半分でも達成するのは簡単ではないのである。だが、このリストに挙がった選手の多くが本当の意味でインパクトを残せず、残念なキャリアになったという事実は、あまりに早くから選手に重圧をかけることへの警告として役立つはずだ」

　今後も、新たな有望株が登場するたびに、「次代のメッシ」といった表現が用いられるかもしれない。だが大切なのは、メッシのようになるかどうかではなく、その選手が才能を最大限に発揮できるようになるかどうかだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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