【高校選手権】来季の有力校は? 東福岡は新チームも陣容充実。“裏選手権”を制した流経大柏に巻き返しの予感

2016年01月13日 安藤隆人

今季のセンターラインがそのまま残る東福岡は選手権連覇も狙える陣容。

選手権で2得点を奪った藤川は、来季の東福岡の攻撃陣をリードする存在だ。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

 12月30日から1月11日の13日間に掛けて、熱戦が行われた第94回全国高校サッカー選手権大会。東福岡の優勝で幕を閉じたが、今大会の結果を通じて来季の勢力図が早くも見えて来た。
 
 やはり中心となるのは、今大会で1、2年生が躍動し、インパクトを残したチームだ。もちろん、来季はチームの主軸としてひと回り成長した姿を見せるに違いない。
 
 当てはまるのは、17年ぶりの選手権優勝を果たした東福岡、準優勝の國學院久我山、ベスト4の青森山田と星稜、3回戦で敗れた桐光学園、市立船橋などが最たるチームと言える。
 
 東福岡は、MF藤川虎太朗、アンカーの鍬先祐弥、CB児玉慎太郎のセンターラインがそのまま残る。特に藤川と鍬先のコンビはプロ注目の存在になることは必至で、特に鍬先は今大会で急上昇の注目株となった。広い視野と正確な左右両足のキックを活かした展開力はもちろん、守備時の読みの鋭さとポジショニングの上手さを決勝で披露し、能力の高さを示した。左サイドバックのヘッドを得意とする小田逸稀も残り、小田と児玉で来年の守備を統率する。
 
 そして、サブにも来季の主軸が揃っている。餅山大輝の後釜として、1トップに君臨しそうなのがFW佐藤凌我だ。179センチの高さと裏へのスピードが秀でた佐藤は、今大会も出場時間は短かったが、選手権決勝の大舞台を経験することができた。
 
 さらに2シャドーの一角として、藤川とコンビを組みそうなのが、ボールコントロールとパスセンスに長けた三郎丸瑞基。そして両ワイドアタッカーには決勝こそベンチメンバーから外れたが、1年生ながらプレミアリーグ、インターハイ、選手権すべてを経験した秀英FW福田湧矢、ロアッソ熊本U-15からやってきたドリブラーの高江麗央という適役がいる。
 
 GKには安定感がある184センチの前島正弥がおり、今年に匹敵するタレントたちが4-1-4-1のフォーメーションにしっかりとはまっている。間違いなく来年はインターハイ3連覇、プレミア制覇、そして選手権2連覇を狙える陣容になるだろう。
 
 國學院久我山はFW澁谷雅也とトップ下の名倉巧の2年生コンビ、そしてCB上加世田達也と守護神・平田周の1年生コンビと、攻守の柱がそのまま残るのが大きい。他にもボランチ・知久航介、スーパーサブとして存在感を見せたMF戸田佳佑とキーマンが残り、大舞台での経験を重ねたチームは興味深い。
 

次ページ全中得点王の期待の1年生が加わる青森山田に注目。

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