激闘の東京ダービーでキッカーの順番は誰が決めたのか。FC東京の塚川孝輝が語るPK戦裏話「断ろうと思ったんですけど」【天皇杯】

2023年07月13日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

少しプレッシャーはあった

東京ダービーでトップ下を任された塚川。先制点を奪うと、PK戦ではチームの3番手としてゴールを決めている。写真:田中研治(サッカーダイジェスト写真部)

「あそこで決めてくるのがJ1のレベル」

 PK戦までもつれ込んだ東京ダービー終了後、東京ヴェルディの阪野は塚川の先制ミドルをそう評した。

 2023年7月11日の天皇杯3回戦、味の素スタジアムで開催されたFC東京対東京Vの一戦で20分に均衡を破ったのが塚川だった。D・オリヴェイラのパスを受けると、ゴール正面から右足を振り抜き、ゴールネットを揺らしたのだ。

「最初は(渡邊)凌磨もディエゴも動き出していたのでパスを選択しようかと思いましたが、なんでですかね、右足を振り抜いちゃいました」

 本人にとっては意外な選択だったかもしれないが、記者席から判断するかぎり、迷いなき一撃だった。しかし、塚川のゴールも決勝点にはならず。70分に1-1と追いつかれ、90 分間で決着をつけられなかった試合を振り返り、彼はこう言った。

「追加点を取れないと、カップ戦はああいう展開になる」

 東京Vとの激闘を経て「勝ててホッとしている」という塚川は、最終的にFC東京が9-8のスコアで制したPK戦にも言及。塚川自身はFC東京の3番手としてキッカーを務め、そのPKを見事成功させている。

「みんなPKが上手くてビックリしました(笑)。自分は2年前の天皇杯でPKを外しているので、正直、少しプレッシャーがありました」
 
 ちなみに、この日のPKの順番はクラモフスキー監督が決めたそうだ。

「断ろうかと思ったんですけど、頑張りました(笑)」

 「3番手」と告げられた直後は「3番目かあ、10番目じゃないのかあ(笑)」と弱気な一面を覗かせるも、いざPK戦になると重圧を跳ね除けて堂々とゴールに蹴り込む。思い切りのいいミドルで決めた先制弾といい、堂々としたスタンスで蹴り込んだPKといい、塚川は東京ダービーで確かな勝負度胸を見せつけた。

構成●サッカーダイジェスト編集部

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