「ちょっとざわついたよね」“5番手”長友佑都のPK戦秘話「ビックリしたんちゃう、俺がタメを作るPKを蹴れるなんて」【天皇杯】

2023年07月13日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

「イタリアで2回くらい蹴っている」

PK戦でFC東京の5人目を務めた長友。冷静にゴールを決めている。写真:田中研治(サッカーダイジェスト写真部)

 彼にとって、FC東京と東京ヴェルディが戦う東京ダービーはやはり特別なゲームだった。

「僕は15年ぶりか。だいぶ気持ちが入ったね。(前半に先制しながらも後半に追いつかれて)難しい試合になったけど、最後はプライドを見せることができたかなと」

 張りのある声でそう言った長友佑都は、延長戦まで左サイドバックとして120分間プレーした感想を訊かれると、「意外に余裕だったね。連戦だったけど、全然大丈夫だった。体力的に問題はなかったね」と自信に満ちた表情で答えていた。

 そんな長友はPK戦(FC東京が9-8で勝利)の話になると、「PK、上手いでしょ」と頬を緩めた。PK戦でFC東京の5番手として、冷静に、きっちりと右足でゴールネットを揺らしたシーンを、彼は次のように振り返っている。

「ビックリしたんちゃう、俺がタメを作るPKを蹴れるなんて。多分、イタリア(インテル時代)で2回くらい蹴っているけど、いずれも決めているんだよ。その時見ていてくれた人は僕がPKを蹴れるのを知っているんだけどね。でも、知っている人は少ないからきっと驚いたでしょ。相手のキーパーもびっくりしたはずだよ」
 
 インテルでの経験があるからPKは「自信があった」。しかしどういうわけか、長友が5番手で出てきた時、スタジアム内の雰囲気が少しざわついた。

「ちょっとざわついたよね。どういうざわつきなんだろうって(笑)。『長友、来た!』なのか、『長友? 大丈夫か?』なのか。どっちかは分からないけど、ざわついたね。でも、自信を持って蹴りに行ったから。余裕を持ってできたし。何より絶対に負けられないという気持ちがあのPKに繋がった」

 今回の東京ダービーでタフさと冷静さを示した長友。また天皇杯やルヴァンカップでPK戦になった場合、長友は再びキッカーを任されそうだ。

構成●サッカーダイジェスト編集部

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