【採点寸評|湘南】負けられない“裏天王山”でポジティブな勝点1。中盤が躍動した新たな試みはまずまずの出来[J1第20節 柏1-1湘南]

2023年07月09日 岩澤凪冴(サッカーダイジェスト編集部)

コンパクトさを保ち、相手の自由を奪うサッカーができていた

【警告】湘南=山本(72分) 柏=ジエゴ(58分)
【退場】湘南=なし 柏=立田(79分)

[J1第20節] 柏 1-1 湘南/7月8日/三協フロンテア柏スタジアム

 Jリーグは7月8日、J1第20節の8試合を各地で開催。三協フロンテア柏スタジアムでは柏レイソル対湘南ベルマーレが行なわれ、1-1で引き分けた。
【PHOTO】湘南の出場16選手&監督の採点・寸評。大野は終盤のパワープレーで殊勲の同点弾。高い技術を随所に発揮した茨田
 先制したのは柏。27分にジエゴがクロスを入れると、細谷真大が右足のダイレクトシュートでネットを揺らす。

 その後はスコアボードが動かないなかで、79分に柏の立田悠悟が一発レッドで退場。数的優位となった湘南が攻勢を強めて、90+3分に追いつく。

 小野瀬康介の浮き球の縦パスを阿部浩之が頭で折り返す。これに反応した大野和成がヘディングシュートを放つと、相手DFに当たって、そのままゴールインした。

 湘南は5試合ぶりに勝点1を獲得したが、最下位から脱出ならず。一方、柏は16位に浮上した。
 
▼湘南のチーム採点「6」
 17位・柏との、絶対に負けられない"裏天王山"へ、山口智監督は新システムを導入。以前のアンカーを置いた3-1-4-2からベースを引き継ぎつつ、2ボランチにして安定感を重視した3-4-1-2に変更した。

 後半から前節までの戦い方に戻したが、中盤が躍動感を見せた新たな試みは、まずまずの出来だったと言えるだろう。

 後半の3-1-4-2では、チームとして前へ出て行く意識や強度が徐々に戻ってきた印象だ。ここ数試合、迷いながらプレスをかけているように見えるゲームもあったが、今節はコンパクトさを保ち、相手の自由を奪うサッカーができていた。さらに前線からの守備の圧力が増してくれば、14試合遠ざかっている勝利を手にする日も近いはずだ。

 プレスの勢いが増し、ポジティブな形で追いついた一戦だったが、課題も見えた。個々のプレーの精度を、さらに高めたい。今節も選手同士のイメージの掛け違いやパスミスが目立ち、相手の退場で10人になるまでは決定機の回数が少なかった。

 中央からサイドに展開するミドルパスやワンタッチプレーの成功率が上がれば、チームもより攻撃的なスタイルに変貌を遂げられそうだ。

取材・文●岩澤凪冴(サッカーダイジェスト編集部)

※採点は10点満点で「6」を及第点とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。

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