チェルシー加入のFWジャクソンも31年までの8年契約!「抜け道」とも言える超長期契約が続出のなぜ

2023年07月09日 片野道郎

UEFAは「5年」に制限する条項を組み込む方針

チェルシーは今夏、このジャクソンと31年6月までの8年契約を結んだ。FAの規則に契約年数の制限がないことを利用。(C)Getty Images

 22年夏と23年冬の移籍市場で計6億ポンド超の大型補強を敢行したチェルシーが、ファイナンシャル・サステナビリティ・レギュレーション(ファイナンシャル・フェアプレーの大幅に見直した新ルールで、22-23シーズンから適用。以下FSR)の基準をクリアしているのかという疑念を持つのは当然だろう。
 
 ただ、現時点におけるチェルシーのスカッドコストは、FSRに抵触する水準に達していない。スカッドコストを構成する要素のひとつの減価償却費は、選手獲得に要した移籍金(選手の資産価値)を契約年数で割った金額となる。
 
 契約期間を通して"使い減り"していく資産価値を損失として計上し、契約満了の時点でそれがゼロになるという仕組みだ。

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 チェルシーの大型補強がFSRに抵触せずに済んでいるのは、エンソ・フェルナンデス、ミハイロ・ムドリク、ウェスレイ・フォファナ、ダビド・ダトロ・フォファナ、ブノワ・バディアシルらの獲得にあたって、FIFAが契約に関する基準として設定している「最大5年」を大きく超える7年、8年の長期契約を結ぶことで、1年あたりの減価償却費を低く抑えて薄く引き伸ばす「抜け道」を使ったためで、FAのルールに契約年数の制限が存在しないことを利用したものだ。
 
 しかし、この「抜け道」を使うクラブの増加を警戒するUEFAは、この夏のうちに最大契約年数を5年に制限する条項をFSRに組み込む方針を打ち出している。したがって、どのクラブも抜け道を封鎖されることになるはずだ。
 
文●片野道郎
※『ワールドサッカーダイジェスト』2023年6月15日号より加筆・修正

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