「アイツらは自由にやるので」西村拓真が抱くブラジル人トリオへの本音とリスペクト

2023年07月07日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

「結果を出せば監督は使ってくれる」

湘南戦ではトップ下でプレーした西村。写真:サッカーダイジェスト

 湘南を4−1で下した試合後、横浜の西村拓真はそう言って笑った。「アイツら」とは湘南戦で3トップを組んだブラジル人トリオのことである。右ウイングのヤン・マテウス、CFのアンデルソン・ロペス、左ウイングのエウベルは確かにボールを持てば予測不可能なプレーで敵をかく乱。西村が「自由にやるので」と話すのも頷けた。

 彼ら3トップが比較的自由に振る舞う分、西村はよりバランスに気を配る。守備の局面でも献身的に振る舞い、ブラジル人トリオの負担を軽減しているのだ。「日本人の僕がやらないといけない感覚なので(笑)、バランスは意識しています」と、西村はこれまた笑顔でコメントする。

 もしかすると、損な役回りなのかもしれない。なにしろ、攻撃重視に映る3トップに対し、トップ下ながら守備も相応の強度でこなさないといけない西村はかなりタフな仕事を求められているのだから。  

 ヤン・マテウス、A・ロペス、エウベルがガンガン仕掛けた湘南戦は「チームとして前に行けるシーンが多かったので、(守備も考えると)逆にきつかった」と西村はそう本音を漏らす。前線でボールを奪われれば、取り返すために自陣へ戻る、奪い返せばまた前に出る。そうした上下動の連続で体力を削られたということなのだろう。
 
 そうした感覚がある一方で、西村はブラジル人トリオに確かなリスペクトを抱いている。何より目に見える結果を出しているところが素晴らしい、と。湘南戦では実際、A・ロペスが2得点、ヤン・マテウスが2アシスト、エウベルが1アシスト。「結果を出せば監督は使ってくれるので」というのも、西村の本音である。

 攻撃的なポジションを任されている西村も、当然ながら結果にこだわっている。「リーグ戦で10ゴールは奪いたい」。有言実行に期待したい。

取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)

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