「シンプルに悲しいというか、寂しい」なでしこジャパンの清家貴子が女子W杯のテレビ放送未定に心情を吐露

2023年06月30日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

「テレビで観てください」と言えないのが

練習ではアグレッシブなプレーを見せていた清家。ワールドカップでは何より結果にこだわる。写真:鈴木颯太朗

 「2011年のワールドカップ優勝をテレビで観て、私もなでしこジャパンになりたいと思いました」

 そう話してくれたのは自身2度目の女子ワールドカップに挑む清水梨紗だ。彼女だけではない。2023年6月30日の全体トレーニング後に囲み取材に応じてくれた清家貴子、千葉玲海菜、田中美南も揃って同じニュアンスのコメントをしている。

 未来の女子サッカーのためにも──。今度は自分たちがなでしこジャパンを目指す子どもらに希望を与える番だと、彼女たちは意気込んでいるのだ。実際、清家は次のように話していた。

「ワールドカップ優勝した時の熱狂は今でも覚えています。女子サッカーの環境が、あの大会のおかげで変わりました。ただ、近年、その波が落ち着いてきているのも肌で感じています。やっぱりワールドカップのような舞台で勝たないと、普段いくらリーグ戦で頑張っていても変わらない部分があります。だから、日本を沸かせるような戦いがしたい」
 
 しかし、現時点で日本での女子ワールドカップのテレビ放送は未定。7月20日の開幕まですでに1か月を切っているが、放映権の高騰によりテレビ観戦できない危機に直面している。この現状に、清家も「寂しさ」を感じているという。

「放映権が決まってないのが何より寂しいです。たくさんの方から『ワールドカップ、頑張って』と激励されますが、その頑張りを見せられるものがないというのが心苦しいというか、『テレビで観てください』と言えないのがすごく寂しいです。今後どうなるか分からないですが、女子サッカーのために(放映が)決まってくれたら嬉しいです。今はシンプルに悲しいというか、寂しいです」

 そうした心情を吐露してくれた清家は、それでも力強くこう語ってくれた。

「(放映未定でも)なでしこジャパンがグループリーグで面白いサッカーをして注目されれば、決勝トーナメントからテレビ放送という流れになるかもしれません。いずれにしても、全ては結果です。そこにこだわりたいです」

取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)

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