【欧州主要リーグ】選定! 2016年に注目すべき5人――ブンデスリーガ編

2016年01月04日 中野吉之伴

「三冠」を置き土産にできるかどうかが注目される名将ペップ。

バイエルンでこれまで5つのタイトルを獲得しているペップ。この数字をどこまで伸ばせるか。 (C) Getty Images

◇NO.
3度目の正直で有終の美を飾れるか
――グアルディオラ監督(バイエルン)
 
 過去2シーズン、ブンデスリーガをぶっちぎりで優勝しながらも、終盤のリズム調整に失敗し、チャンピオンズ・リーグ(CL)ではともに準決勝敗退。悪い成績ではないのだが、チームが秘めている力を考えると、ファンもどこか満足しきれないものがあった。
 
 集大成が求められる3年目、監督の理想とするサッカーをより深いところで理解するようになった選手は、迷いないパフォーマンスで他を圧倒し、前半戦を首位でターン。しかし、本番はここからだ。
 
 特にシーズン終了後の退陣が発表された後だけに、選手のモチベーションコントロールを含め、ここからどのようにチームを導くのかが非常に注目されている。三冠で別れを告げたユップ・ハインケスのように、完璧なラストを飾ることができるだろうか。
 
◇NO.
降格圏内のクラブを途中就任の将は救えるか
――シャーフ監督(ハノーファー)
 
 沈みかけの船に飛び乗るのは、勇気以上の何かが必要だ。シャーフには、残留へと導く確かな自信があるのだろう。
 
 クラブ最大の課題が攻撃へのテコ入れなのは、誰の目にも明白。シャーフはブレーメン時代、ジエゴ、メスト・エジル、ヨアン・ミクーといった攻撃選手の才能を開花させたことが有名だが、それは攻守を分断させず、チーム全体の積極的な守備でリズムを作り出すことに成功していたからだ。
 
 戦力整備にも余念はなく、前半戦わずか4得点に終わったFW陣への起爆剤として、ホッフェンハイムからハンガリー代表アダム・サライをレンタルで獲得している。
 
 さらに練習場には、分析用のカメラを導入。ビデオアナリストのラルス・バーレマンとの密接な仕事で、チーム改革に取り組んでいく。
 
◇NO.
正当なかたちで再び脚光を浴びるために
――フンメルス(ドルトムント)
 
 ドルトムントのキャプテンとして欠かせない存在なのは、誰もが認める。しかし前半戦では、彼のプレーとは思えない、軽率なミスが目立ったのも確かだ。
 
 また、試合後の刺激的なコメントでメディアに取り上げられるのは、彼のスタイルではないはずである。
 
 トゥヘル・サッカーのカギを握るのは、自分たち主導でゲームを支配するためのラインコントロール。ボールを回している時にも、次の展開を予測したポジショニングがとられていなければならない。
 
 プレスに行けない状況で高いラインを敷くのは、命取りとなる。実際にブンデスリーガ第8節のバイエルン戦では、裏のスペースをまんまと使われてしまった。
 
 フンメルスに求められるのは、状況判断の整理。そうなれば、鋭い読みとインテリジェンス溢れるプレーが、また光り輝くはずだ。

次ページ武藤への期待――マインツのエースからブンデス有数のFWへ。

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