【高校選手権】中京大中京 3-0 札幌大谷|「Mr.グランパス」岡山監督が語る打倒・星稜への意気込み

2016年01月02日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

キャプテンの辻には「木ではなく森が見えていた」。ボランチの前田は「小さな大巨人」。

かつて名古屋で活躍していた岡山氏は、中京大中京の監督として全国制覇を狙う。(C)サッカーダイジェスト

 初芝橋本との1回戦に続き、札幌大谷との2回戦も完封勝利。現役時代は「Mr.グランパス」と呼ばれ、現在は中京大中京を率いる岡山哲也監督は、今回の快進撃の立役者でもある"1年生コンビ"の活躍に頬を緩めた。

「試合前、お前ら暴れて来いと言ったら、本当にそうなった。頼もしいです。本山はサッカー小僧だから、プレーに制限を与えるのではなく、常にフリーでやれと言っています。ゴールへの嗅覚を持っている子なので。井村は、初芝橋本戦のゴールが持ち味。今日もCBの脇を突いて、上手くゴールに絡んでくれたと思います」

 札幌大谷との一戦ではキャプテンの辻がセンターサークル付近から超ロングシュートを決めたが、岡山監督に言わせれば「シーズン中、昨季もああいうゴールはあるので、驚きはありませんでした」。

 ただ、選手権でのゴールという意味ではサプライズだったという。

「この選手権のあの場面で決めたのは驚きでした。初芝橋本との試合後、本人は『周りが全然見えていませんでした』と言っていましたが、今日は木ではなく、森が見えていたのかなと思います」(岡山監督)

 辻のプレーに代表されるように、1回戦を戦っていたぶん、リラックスできた部分はあった。岡山監督は言う。

「リラックスできた部分はあったかな。特にボランチの前田なんかは。昨日は良くありませんでしたが、今日は小さな大巨人ですね。ピンチの芽をことごとく潰して、身体を張れる。本当に逞しかった。(今大会)2試合目ということで普段以上のパフォーマンスをしてくれましたね」

 ここまで順調に勝ち進んでいる中京大中京だが、ベストと言えるメンバーで戦っているわけではない。ゴール前の勝負強さが武器の石川は、怪我でスタメンから外れている。

「今は一生懸命リハビリをしています。10分ぐらいはできるので、ここぞという時に使いたい。本人はやる気満々です」(岡山監督)

 もしかすると、次の試合では石川に出番が回ってくるかもしれない。なにしろ3回戦の相手は、大会連覇を狙う星稜だ。

「明日のことは不安で仕方ない。ただ、僕が高校サッカー界に来てから、(星稜の)河﨑監督にはいろいろ声をかけていただいているので、ようやく河﨑監督と試合ができるという点では喜びがある。全力で戦いたい」
 



 

次ページ「いずれ高校サッカーの世界で頂点に立ちたい」(岡山監督)

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事