なぜメッシのバルサ復帰は実現しなかったのか。“食い違う主張”から番記者が見解「復帰を阻んだ最大の要因は...」【現地発】

2023年06月23日 エル・パイス紙

「どうやって登録するつもりなんだ」とあるベテラン選手は訝しんだ

バルサ退団時は涙を流したメッシ。復帰は叶わなかった。(C)Getty Images

「バルサには戻らない。インテル・マイアミに行く」――。

「ムンド・デポルティボ」と「スポルト」との合同インタビューにおいて、リオネル・メッシは自らの言葉でバルセロナへの復帰騒動に終止符を打った。

 その中で「バルサの戻ること」が希望だったことを強調するも、退団を強いられた「2年前と同じ状況を経験したくなかった。何が起こるかを見守ったり、自分の将来を誰かの手に委ねることはできなかった。もしバルセロナ復帰が実現しなかったら、ヨーロッパを離れ、スポットライトから離れて、家族のことをもっと考えたかった」と復帰を断念した理由を述べている。

 今月24日に36歳になるメッシは、パリ・サンジェルマンとの契約が満了した後、サウジアラビアのオイルマネーやバルサのチームカラーへの愛よりも、家族と過ごす生活を優先し、インテル・マイアミを選択した。復帰を阻んだ最大の要因は、ラ・リーガの要求に沿う契約を結ぶことが許されないクラブの危機的な財政状況にあり、根っこにあるのは、2021年夏に直面した問題と同じである。
 
 メッシは即答を、バルサは給与制度を見直し、ラ・リーガと締結した緊縮財政計画を遵守するための時間を求めた。しかし、ジョアン・ラポルタ会長やシャビ監督が強い関心を示していたにもかかわらず、メッシは復帰しない旨を伝えた。打つ手なしのバルサは、スポークスマンを通して「復帰の芽はなくなった」と本紙に語っている。

 もっとも、熱心にアプローチしたシャビと異なり、ラポルタのそれは形だけだった。具体的なオファーに発展することはなく、カンプ・ノウには復帰説への懐疑論が常に渦巻いていた。それは、「レオのような選手と契約の話を進めるには、フェアプレーの面でも、人員整理という観点からも、もっと早い段階から動く必要がある。4月に着手するなんて無理がある」という関係者の言葉が裏付けてもいる。

 5月中旬、メッシはバルサと距離を置き始めた。「ラ・リーガとの間に何も問題がなかったと言われていた2年前に登録できなかったんだ。いざこざが起こっている今、どうやって登録するつもりなんだろう」と、あるベテラン選手は訝しんだ。

【画像】「まじか」「メンツが強い」と反響!バルサ選手の歌舞伎町・渋谷での集合ショット

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