色気を出して伊藤にインナーラップやオーバーラップを求めるのは酷。三笘の相棒探しは冨安や中山の戦列復帰後に本格化か【コラム】

2023年06月22日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

秀逸だった右サイドからの崩し

伊藤は菅原とは違うタイプのDF。CBで起用したほうが持ち味を発揮できそうだが。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

[キリンチャレンジカップ]日本 4−1 ペルー/6月20日/パナソニックスタジアム吹田

 日本がペルーを4−1で下した試合は、森保ジャパンの強みを改めて証明したゲームであった。その強みとは、タイトな守備からのカウンター。カタール・ワールドカップで示したストロングポイントをペルー戦でも見せつけていたので、「改めて」となる。

 伊東、鎌田、三笘らが仕掛けた速攻の過程で見逃せなかったのが、守から攻へのポジティブトランジションの速さと各選手のファーストトラップの正確性だ。ボールを奪ってからの切り替えが迅速で、正しいポジショニングで、正しいところにトラップする。それを実践できたからこそ、あれだけ迫力のあるアタックを展開できたのだろう。実際、途中出場の堂安も次のように語っている。

「今日のゴールのほとんどがショートカウンターからです。今の時代、綺麗な崩しからの点なんてあまりないので、そういう意味で迫力が出てきたのは良かった」

 秀逸だったのは右サイドからの崩しだろう。伊東と菅原のコンビネーションは抜群で、このふたりの攻撃をCBの谷口はこう評していた。

「シンプルに右は縦に突破できていて、それはそれで良かった。すごくシンプルな攻撃でしたけど、相手が嫌がっていて効果的でした」
 
 ただ、右サイドほど左サイドから重厚な攻撃を繰り出せていたかと言うと、そうではないだろう。むしろ気になったのは、三笘がセンターサークル付近から単独突破しようとして結果的に何度か潰されたシーンだ。  

 サポートという点で、右サイドバックの菅原のように、左サイドバックの伊藤洋輝ももっと積極的にインナーラップかオーバーラップをして攻撃に絡むべきとの見解はあるだろうが、そもそも伊藤洋輝にそういう役割を求めるべきなのだろうか。

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