【高校選手権】星稜 2-1 玉野光南|波乱回避の星稜。本田圭佑と同じルートを辿る大橋が、“スナイパーパス”で2ゴールを演出

2016年01月02日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

「星稜の形が出た2点目は上手くいきました」(大橋)

後半に入ってから試合をコントロールした大橋(8番)。CKからのキック、2点目につながるスルーパスはともに素晴らしかった。写真:早草紀子

 玉野光南の有吉にヘッドで先制弾を叩き込まれ、苦しいスタートを余儀なくされた星稜だが、後半に2ゴールを決めて見事な逆転勝利。大会連覇に向け、一歩を踏み出した。

「前半はなにもできなかった」(河﨑監督)星稜に、活力を吹き込んだのはMFの大橋だった。

47分に相手のミスで得たCKの場面、大橋がまるで弾丸のようなボールをゴール前に蹴り込むと、ゴール前に詰めていた片山が押し込んで同点。正確無比のキックでアシストを決めた星稜の背番号8は以後、中盤で抜群の舵取りを見せつける。

「前半は雰囲気に呑まれた部分が大きかったので、後半に1点取ってPK戦でもいいぐらいの感覚でプレーしていました。そのなかでCKというセットプレーで追いつけたのは大きかった。

 相手が蹴って来るのは分かっていたので、ちょっと後ろ目にポジションを取って散らす動きや敵の急所を突くパスはずっと意識しながらやっていました」

「急所を突く」パスが炸裂したのが、終盤の73分だ。前線の加藤に出したその"スナイパーパス"で相手の陣形を崩すと、そこから根来に繋がったボールを最後は加藤が叩き込むのだが、最大の殊勲者と言ってもよかったのは玉野光南の守備網にぽっかりと風穴を開けた大橋だった。
 
「2点目の場面では最初、後ろに下げようと思っていました。でも、後ろから相手が来ていたので、加藤とのワンツーを狙いました。敵を真ん中に寄せたうえでサイドに振ってクロスという星稜の形が出ましたから、上手く行った2点目だったと思います」
 
 試合後に淡々と話す大橋だが、クールなスタンスとは裏腹に今回の選手権に懸ける想いは人一倍熱い。
 
「G大阪ジュニアユースからユースには上がれませんでした。ジュニアユース時代はほとんど試合に出られませんでした。出たとしても、残り15分とかそういうレベル。そこで悔しい想いをして、星稜で選手権に出るという目標を作りました。ここからどれだけ結果を残せるかが勝負です」
 

次ページプレースタイルは先輩・本田に似ている部分も。

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