千葉決勝は圧力が凄まじい攻撃の流経大柏vsハイレベルな連動を誇る守備の市立船橋!全国トップクラスの“矛盾対決”に注目だ【総体予選】

2023年06月17日 安藤隆人

「速攻も遅攻もできる柔軟性がある」流経大柏

流経大柏の絶対的エース柚木。写真:安藤隆人

 流経大柏と市立船橋。ともにプレミアリーグEASTに所属する全国トップクラスの強豪校が6月18日、千葉の頂点を決める戦いを繰り広げる。

 インターハイ千葉県予選決勝。2019年から千葉県の本大会出場枠が2から1になったことで、予選は一気に過酷になった。2010年から18年は、必ずどちらかのチームがインターハイに出場し、この2校が出場したのは、この9年間で実に6回に上る。

 19年は日体大柏が初出場。直近の2大会では流経大柏、市立船橋が出場するも、伝統の赤と青が雌雄を決する夏のファイナルは17年以来、実に5大会ぶりになる。

「今年はまとまりがあるチーム。伝統である前線からのプレスを軸に、速攻も遅攻もできる柔軟性があるチームになっている」
 
 流経大柏の榎本雅大監督がこう語るように、センターバックの塩川桜道、中田旭と古川結翔のダブルボランチ、そしてチームの絶対的エースの柚木創で構成されるセンターラインのプレー強度は高く、かつパスや展開力に優れた選手が配置されている。

 右からはスピードと積極的な仕掛けで切り崩してくる田中ショーン涼太がおり、最前線には「大きなポテンシャルを持っているからこそ、使い続けることで成長してくれると思う」と榎本監督が才能開花に期待を寄せる194センチの長身FW柳裕晋がいる。

 柳の高さを活かしたポストプレーを狙いながらも、それ一辺倒にならず、サイドの田中、1人で打開できる柚木の個性を活かしながら、ボランチ、センターバック、サイドバックがどんどん攻撃参加を仕掛けていく攻撃は脅威だ。

 今季のプレミアリーグEASTでも前橋育英を相手に圧倒的な攻撃を仕掛けて、数多くの決定機を創出。クロスバーやポストに嫌われ、PKストップを含む前橋育英のGK雨野颯真のビッグセーブの数々によって無得点に終わり、開始早々のオウンゴールによる失点により0-1で敗戦を喫してしまったが、「前への圧力は凄まじく、弾いても、弾いても、次から次への相手が出てきた」と雨野が振り返ったように、その圧力は凄まじいものがあった。
 

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