【移籍専門記者コラム】1月の移籍が濃厚なG・ロッシ。リバプールから打診も、出場機会優先でセリエAのクラブへ?

2015年12月31日 ジャンルカ・ディ・マルツィオ

すでにフィオレンティーナはレンタル移籍を容認。

フィオレンティーナで出場機会が限られているG・ロッシ。先頃、代理人のパストレッロは「99パーセントの確率で1月に移籍する」と明言した。(C)Getty Images

 ベンチから試合を見守る日々が続く中、"ペピート"の愛称で知られるジュゼッペ・ロッシの顔からは、微笑みが消えてしまった。
 
 度重なる膝の怪我から1日も早く復帰するために全力を尽くしたというのに、戦列に戻った今、パウロ・ソウザ監督から評価してもらえず、あまりに少ない出場機会に悶々としている(今シーズンの先発出場はセリエAとヨーロッパリーグでいずれも4試合ずつ)。
 
 それを受けてフィオレンティーナは、レンタル移籍を容認する姿勢を打ち出した。彼の復帰を長い間待ち続けたクラブにとって、これはひとつのパラドックスだが、今は優先順位が変わったことも事実だ。
 
 ペピートはどこに行くのか? 打診はいくつもある。直近ではリバプールだ。マンチェスター・ユナイテッドでプロデビューしたG・ロッシのプレミアリーグ復帰は、大きな話題になるだろう。ユルゲン・クロップはドルトムント時代にも獲得に乗り出すなど、この天才レフティーを高く評価している。 
 
 しかし、これが正しい選択と言えるだろうか? ペピートが最も必要としているのは、安定した出場機会だ。しかし、レッズが今の彼にレギュラーの座を保証するはずがない。
 
 ただ、イタリアにならその機会はある。代理人のフェデリコ・パストレッロは、ジェノア、サンプドリア、ボローニャなど、1月にFWを獲ろうとしているセリエAのクラブとの交渉に入っている。アンドレイ・クラマリッチ(レスター)、セルジュ・フロッカリ(サッスオーロ)、ジョナタン・カレーリ(ボカ)などとの競合だ。
 
 ペピートはイタリア代表の一員としてEURO2016の舞台に立つことを、今もまだ諦めていない。夢を掴むためのチャレンジの場は、はたしてどこになるのだろうか
 
文:ジャンルカ・ディ・マルツィオ
翻訳:片野道郎
 
※当コラムではディ・マルツィオ氏のオフィシャルサイトにも掲載されていない『サッカーダイジェストWEB』だけの独占記事をお届けします。
 
【著者プロフィール】
Gianluca DI MARZIO(ジャンルカ・ディ・マルツィオ)/1974年3月28日、ナポリ近郊の町に生まれる。パドバ大学在学中の94年に地元のTV局でキャリアをスタートし、2004年から『スカイ・イタリア』に所属する。元プロ監督で現コメンテーターの父ジャンニを通して得た人脈を活かしてカルチョの世界に広いネットワークを築き、移籍マーケットの専門記者という独自のフィールドを開拓。この分野ではイタリアの第一人者で、2013年1月にグアルディオラのバイエルン入りをスクープしてからは、他の欧州諸国でも注目を集めている。セリエAから下部リーグまで各クラブの会長やスポーツディレクターはもちろん、代理人からスカウトまで膨大な関係者と緊密なネットワークを持ち、しかもしっかり裏が取れるまでは決して情報を出さない。発信するニュースはすべて彼自身のプライドがかかったガチネタであり、ハズレはほぼ皆無と言っても過言ではない。
 
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