森保ジャパンがみせた“CLクオリティ”。久保の高精度アシスト、旗手の驚異的運動量、守田の回収力、古橋の決定力...

2023年06月16日 江國 森(サッカーダイジェストWeb編集部)

中盤で格の違いを見せつけた

エルサルバドル戦で躍動した(左から)古橋、久保。旗手、守田。(C)SOCCER DIGEST

[キリンチャレンジカップ]日本 6-0 エルサルバドル/6月15日/豊田スタジアム

 ヨーロッパのクラブ、そこでプレーする選手にとって、欧州カップ戦、とりわけチャンピオンズリーグ(CL)を戦うのはこのうえない喜びである。

 久保建英が所属するレアル・ソシエダが来シーズンのCL出場権が得られる4位以内を10年ぶりに確定させた際、アトレティコ・マドリーに敗れた直後だったにもかかわらず、選手たちが輪になった喜びを爆発させ、敵地でイマノル・アルグアシル監督を胴上げしたシーンからも、どれだけCL出場が重要かが窺い知れる。

 言わずもがな代表チームよりも戦術レベルははるかに上で、ビッグクラブであれば資金力でウィークポイントを補強できるため、完成度も高い。そのハイレベルな競争で揉まれれば、自ずと成長するだろう。

 1年3か月ぶりに日本代表の試合に出場した旗手怜央が、6ー0で大勝したエルサルバドル戦で見せた躍動感溢れるプレーと驚異的な運動量は、まさに"CLレベル"ではなかったか。今シーズンのセルティックは、CLのグループステージで2分け4敗と力の差を見せつけられた。ただ、その中で最も引けを取っていなかったのが旗手だった。レアル・マドリー戦ではルカ・モドリッチ、トニ・クロースという世界最高峰のMFと堂々と渡り合ったのだ。以降、スコットランドでの無双ぶりはさらに加速した。

【動画】谷口の開始1分弾を呼び込んだ久保のピンポイントFK
 チームメイトの古橋亨梧は、CLではノーゴールに終わり、スコットランドを席巻している得点力を発揮できなかった。それでも、シュートチャンスは創出していたし、「手も足も出なかった」「DFに完璧に封じられた」というわけではまったくはなかった。

 そして、CL無得点、ワールドカップのメンバー落ちという悔しい経験を経て、さらに決定力に磨きをかけたストライカーはスコットランドリーグでMVPと得点王を獲得。ついに9か月ぶりの代表に返り咲くと、65分から途中出場したエルサルバドル戦で73分にヘディングシュートを叩き込む。相馬勇紀のクロスに巧みに合わせた一撃は、CL出場に相応しいそれだった。

 スポルティング1年目で初めてCLを経験した守田英正も、エルサルバドルを相手に中盤で格の違いを見せつけた。「久しぶりだった」というアンカーで、次々にボールを回収。左右へのチラシのパスも的確だった。

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